県森林整備課は、１２月補正予算で治山事業１６カ所を実施する。事業費は５億６５７０万円（国庫債務負担行為含む）で国の経済対策に呼応。２０２６年度事業箇所を前倒し、新規に日光市の小三百沢、西沢、那須塩原市の金堀沢、女郎沢、那須烏山市の幕焼沢の５カ所で測量設計、日光市のコーズリ沢で森林整備に着手。小三百沢は一部工事も予定。継続の藤穴（鹿沼市）、三本松（日光市）、栗生沢（佐野市）などで谷止工、尻高田入（大田原市）で排土工を計画。鹿沼市のシレガ沢、大越路沢、辰巳沢は谷止工の測量設計。委託、工事とも年度内発注を目指している。

　補正予算は国土強靭化の観点から山地災害を未然に防ぎ、安全安心を守る整備効果が早期に発現できる箇所を選定。債務負担行為分は事業量が多く工期が長い箇所、施工期間が限定される箇所などに充当する。事業費は国補正分が２億８４７０万円、国庫債務負担行為分が２億８１００万円。

　小三百沢（滝ヶ原）の全体計画は谷止工１基、床固工１基、流路工約３０ｍ、谷止工上流部の緑化工０・０１ｈａ。事業期間は２５～２７年度。全体事業費は約７３００万円を試算。測量設計を進めるとともに、谷止工と緑化工の着工を目指す。

　西沢（川俣）は法枠工など０・０９ｈａを計画。亀裂が発生している斜面へのモルタル吹き付け法枠工のほか、斜面下部の木柵工、筋工、植栽工を予定。事業期間は２５～２７年度。全体事業費は約８８００万円を試算。測量設計を進める。

　コーズリ沢（山久保）は約７ｈａの森林整備。本数調整伐によって森林の健全な状態を保ち、斜面の安定や土砂流出の防止を図る。２５年度単年事業。

　金堀沢（百村）、女郎沢（同）はそれぞれ谷止工２基を整備する計画。事業期間は２５～２７年度。全体事業費は金堀沢が約１億円、女郎沢が約７４００万円を試算。測量設計を進める。

　幕焼沢（大沢）は谷止工３基の設置と流路工約１３ｍの修繕を計画。流路工は洗堀箇所にコンクリートを打設する予定。事業期間は２５～２７年度。全体事業費は約７２００万円を想定。測量設計を進める。

　継続箇所のうち藤穴（上粕尾）は谷止工１基、三本松（中宮祠）は谷止工２基、大岩沢（日光市足尾町）は法枠工０・０５ｈａ、東古屋（塩谷町上寺島）は緑化工０・１４ｈａを実施。

　シレガ沢（上粕尾）、大越路沢（下粕尾）は谷止工１基、辰巳沢（入粟野）は谷止工２基の測量設計を進める。

　債務負担行為分の栗生沢（柿平町）は谷止工２基を施工。小薙右沢上流（日光市中宮祠）は谷止工１基の完成に向け上部約５０％分の工事の進捗を図るほか、谷止工１基の測量設計を委託する。

　尻高田入（北野上）の排土工は、林道八溝縦貫線の見上げ法面で発生した地すべり性の崩壊箇所で実施。上部の土砂約２６００立方ｍの除去を計画している。