コラム

2025/07/01

5㎏で4000円とは(新潟・KW)

5㎏で4000円とは

▼茶わん1杯で白米約150g。国の調査では日本人1人当たりのコメ消費量は、2021年度時点で約51・5㎏とのこと。1960年代は100㎏を超えていたが主食の多様化などさまざまな要因により年々減少傾向にある。現在は生産量、消費量ともにピーク時の半分以下だ

▼日本人とコメは切っても切れない長い付き合いがある。約2000年前の弥生時代から始まり、鎌倉時代では武士の収入源、安土桃山時代には太閤(たいこう)検地が実施され年貢として大名に納められてきた。土地の玄米収穫量を指す石高は、土地のサイズや年貢量、身分などの基準として用いられた。地租改正が施行され、米本位制から貨幣経済へ完全に移行する明治時代までの1000年以上の期間、コメは日本人の生活の土台であり、富の象徴であり、経済そのものだった

▼現代でも日本酒や焼酎などは升の単位を使う。毎日の炊飯で1合、2合という単位も慣れ親しんでいる。レガシー単位ともいえるが、日本のコメ文化の歴史を考えると納得がいく

▼夕方のニュースで例年定番の「新嘗祭」は古くは弥生時代にまでさかのぼるという説もあるが、少なくとも500年以上は続いている。そして天皇陛下の皇位継承の際に最初に行う新嘗祭を「大嘗祭(だいじょうさい)」という。6年前にテレビ中継で見るまで知らなかったが、その時にコメの重要性を再確認できた。日本人の精神的な部分にまで浸透している非常に重要な食物だ

▼年明けから通常通りに精米を購入できない日々が続き、先週になり販売価格が一気に1000円以上値下がりしたが、本コラムが掲載される7月はどうなっているのか。(新潟・KW)

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