コラム

2007/07/04

川遊びのできる環境に(埼玉・NH)


▼家の近くを流れている小川には、数年前まで、タナゴをはじめ、銀ブナ、モロコなど、いろいろな魚がたくさん泳いでいた。水量の多いこの季節、川の澱んだ場所に網を入れると、一度に何匹も捕獲できた。しかし河川改修工事の後には、魚影を見ることがほとんどできなくなった

▼治水安全度の向上を図るため、河川改修工事は重要かつ不可欠な事業であるが、矢板やコンクリートブロックなどの護岸により、魚の棲める環境が無くなってしまったことも事実。また、転落防止柵により、川にはまる危険性は無くなったものの、川から子供たちを遠ざけ、川遊びもできない状況にしてしまった

▼このような中で、近年、多自然型の川づくりに取り組む自治体が増えてきた。かごマット護岸や蛇篭、自然石護岸などにより、魚などが生息できる環境を整備している。河川幅が広くとれる場所では、法面の勾配を緩やかにし、階段などを整備して、川面まで降りられるようにしているところもある

▼そして、何よりも気がかりなのが河川の浄化である。いくら水辺環境が整っても、悪臭のある汚濁した川には、誰も近づかない。生活排水などの汚水の流入を防ぐとともに、清流を導水することにより、汚水河川をどんどん減らし、いろいろな魚に戻ってきてもらいたいものだ

▼折りしも7月は河川愛護月間で、全国各地で様々なイベントが開催される。7月7日の「川の日」(平成8年度制定)には、「河童伝説と川〜自然豊かで、安全安心な川づくり〜」をテーマにしたフォーラムが、都内の浜離宮朝日ホールで開催される。足を運んでみてはどうだろうか。(埼玉・NH)

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