コラム

2004/07/23

スウェーデンの労働政策(水・KK)

2004.07.23 【スウェーデンの労働政策】

▼なんとも厳しい時代である。現在、高卒者の多くと大卒者のかなりの若者たちがフリーターと称する非正社員となり工場、コンビニエンスストア、飲食店、娯楽施設などで低賃金で働いている

▼現在正社員であってもリストラに合う屈辱、派遣社員やパートに取って代わられるのではという焦燥、失業への恐怖、就職先のない不安、過重な教育費、ローン返済もある。これら多くのプレッシャーにさらされながら働く人々を日々苛酷な競争に駆り立てている。90年代半ば頃から「高失業」 、「ホームレス」 、「メンタルヘルス」 、「過労自殺」 といった言葉が現れ、大きな社会問題になっている

▼ところで北欧のスウェーデンは190年もの間戦争を経験してこなかったため平和国家、福祉国家と言われている。スウェーデンでは社会の単位が世帯単位ではなく、あくまでも個人単位であることが骨格をなしている

▼賃金、税金、住宅・児童手当なども個人単位である。同じ労働をする限りにおいては男性でも女性でも同一賃金、新人もベテランも基本的には同じだという。個人単位社会のため男性も女性もほとんど同じ割合で働いている。両親が離婚しても子どもを守るシステムが確立しているため学生は教育費が無料で、親の負担にならず勉強できる。日本では大失業が進行すれば多額の教育費を捻出できる裕福な家庭の子女しか一流の教育が受けられないようになるだろう

▼急速な少子化の進行で日本では人口の著しい減少が近い将来に訪れる。兎に角、身近なことからでいい、人口880万人のスウェーデンの労働政策から参考にすることも多いのでは。(水・KK)

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