2003/02/14
江戸開幕400年(本・SY)

2003.02.14 【江戸開幕400年】
▼今から400年前の慶長8年(1603年)2月12日、徳川家康は朝廷から征夷大将軍に任ぜられ江戸に幕府を開いた。家康は2年半前の関ケ原の勝利で実質的な天下人となったが、将軍就任により名実ともに日本の統治者となる
▼大坂の陣の後、幕府は武家諸法度、禁中並公家諸法度、諸宗寺院法度を相次いで発令、武家・公家・寺院の三大勢力に対し統制を強めたが、徳川氏の長期政権の柱となったのは何と言っても参勤交代の制度化であろう
▼参勤交代については今日、識者の間でその功罪に多々意見が分かれるが、諸大名が江戸屋敷を構えたことにはじまる都市基盤の整備や交通、流通ルートの発達など美点も多い。江戸時代の街道には徳川幕府による全国支配をより強固にするシステムが働いていた
▼幹線道路である東海道、中山道、奥州街道、日光街道、甲州街道の五街道と美濃路などの付属街道は幕府の道中奉行の管轄下にあり、伊勢路、中国路、佐渡路などの脇街道は勘定奉行が掌握した。道中奉行の仕事は五街道とそれらに付属する街道の維持・管理であるが、具体的には街道筋の道、橋、並木、一里塚などの管理、宿駅、伝馬、助郷村の管理と多岐にわたった
▼道中奉行の街道支配は天領に限らず、大名の私領にも及んだ。道路修繕の際、金を出すのは地元の藩だが、幕府の意向に沿うようにすると、本来安く済む工事費用が高くつくケースが度々だった。また人馬料金も同じ街道であっても天領、譜代、外様で格差が付けられ各藩の収入に影響を与えた。幕府は交通政策を通じても諸藩の財政に関与し、諸大名を統制、支配し続けた。(本・SY)