コラム

2019/07/18

よそはよそ、ウチはウチ(群馬・TH)

よそはよそ、ウチはウチ


▼子どものころ、わがままを言って親を困らせたことは誰にでもあるだろう。欲しいおもちゃが手に入らないとき、旅行などに連れて行ってほしいとき。状況はさまざま。そんなとき、「○○ちゃんの家では~」「□□君は~」と友達を引き合いに出して交渉に臨んだ


▼そんなとき、決まって言われるのが「よそはよそ、ウチはウチ」だった。言葉どおり、ほかの家や人はそうでも、自分たちはその限りではない、諦めろ。そういう意味だ。それでも駄々をこねた場合には「だったら○○ちゃんの家の子になりなさい!」とカミナリが落ちたものだ。このやり取りはわが家だけではなかったはず


▼労働者の環境が大きく変わりつつある。どの業種にも働き方改革が求められており、有給休暇の取得などが義務付けられた。業種により環境や状況は違うはずなのに、求められることは一律。「よそはよそ、ウチはウチ」が通用しない。各企業で知恵を絞って対応していくしかない


▼働き方改革への対応は、企業のトップにとっても悩みの種だろうが、労働者も同じようだ。労働時間が限られるので、より効率的な仕事が求められる。個人的な努力だけでは必ず限界がくるので、組織全体で就業規則の改定や業務全体の進め方を検討する必要がある


▼「残業は何時まで」「有給は何日取れ」といった要求を制度の見直しなくして労働者に押しつけるのは自殺行為。なぜなら労働者は「よそのウチの子」になることも可能だから。より条件の良い会社があればそちらに流れる。働き方改革のしわ寄せが末端にいくような企業は自然淘汰されるだろう。(群馬・TH)


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