山梨県早川町 情報の孤立化解消を/連絡道路整備で周遊化に期待/深沢肇早川町長就任インタビュー

早川町長に深沢肇氏が就任した。町では時代のニーズを見極めながら組織の行財政改革に今後取り組む。早川・芦安連絡道路の整備では、観光面や地域の周遊化に期待する。町の災害対策では、情報の孤立化解消を最優先に挙げる。本紙では深沢町長に町政に対する抱負や、町の問題や課題点などを伺った。
―町長就任の抱負は
深沢 前町長は11期44年と長い間、町民の皆さまからの厚い信用や信頼を受けて町政を担ってきた。その後を引き継ぐのは、大きなプレッシャーを感じている。少子高齢化や人口減少が進む町の今後については、住民の方々も不安があると思う。その不安を払拭できるようなまちづくりを進めてまいりたい。
町では時代のニーズを見極めながら、来年度早々に役場内における組織の行財政改革を検討している。ワーキングチームを経て組織を立ち上げ、さまざまな施策の検討に取り組みたい。
―早川・芦安連絡道路整備への期待は
深沢 連絡道路により甲斐市方面へ短時間で移動ができ、町内観光の周遊化に期待できる。県道を使い、奈良田までバスの乗り入れができた時と同じぐらいの期待や希望が持てる。道路をつなぐトンネルの前後では、道路拡幅も必要となる。県にも早期の整備を求めていきたい。
中部横断自動車道も、旧八田付近にスマートインターチェンジを設けてもらいたいと考えている。周遊道路ができれば、峡南地域の道の駅や観光施設が線でつながり、人の流れをつくることができる。
―町の災害対策について
深沢 災害発生時に孤立化した場合の解消策として、情報の孤立化解消を最優先に考えたい。情報があることで、被災した今の状況がどうなっているのかを早く知らせるとともに、高齢者や町民にとって安心感を与える。
物資はヘリコプターやドローンを使って供給することを想定できるが、いつ物資が届くのかという情報や、救援が来るのかを伝える情報面をしっかり設けたい。
町の一時避難所は徒歩で移動できるが、二次避難所は集落との間が離れていて、避難するための行き来をサポートする体制づくりが必要となる。集落全体や地域で情報を共有して構築する体制を整えたい。町にとって災害対応が重要な部分となっており、限られた財源を充ててまいりたい。
―地元を支える建設業者について
深沢 建設業界は町の大事な産業のひとつ。住民の生活を守るためには、無くてはならない業種。
町内を走る道路では、ひとたび雨や雪が降ると崩落や土砂の流入が発生する。そうなると、夜間の除雪作業や土砂の撤去を迅速に対応してくれる、地元の建設業者の存在がとてもありがたい。
町の水道施設は広域化ができないため、各集落単位で小規模な水道施設を持っている。維持管理は集落の方々にお願いしている状況にある。水道施設で小さな補修が必要な場合もあり、そんな時に建設業者の方々の技術が必要になる。
―趣味や座右の銘について
深沢 家庭菜園や渓流釣り。農作物を育てるのが好き。
座右の銘として、人の器は自分でつくり上げていくもの。見聞や努力して勉強を行うことで、立場に相応しい人になることを胸に秘め、町政に挑む。
【略歴】深沢肇(ふかさわ・はじめ)1955年2月生まれの69歳。早川町町民課長、町教育委員会教育長を経て、2024年11月に早川町長に就任。