【国土交通省就任インタビュー】政策効果を考慮して/外国人受入れと海外進出

7月に就任した国土交通省不動産・建設経済局の磯貝敬智国際市場課長は、政策課題は2つあるとし「一つは特定技能をはじめとする外国人材の受入れ環境整備。関係省庁、業界と連携して必要な対応を検討していきたい。二つ目が建設企業等の海外展開の促進。政策効果や成果を意識して、改めて海外展開の戦略を考えていきたい」との考えを示した。
特定技能制度など外国人材の受入れに関しては「日本の建設分野が外国人材に選ばれ続けることが大変重要だと思う。送り出し側の国の賃金水準の上昇などもあり、賃金をはじめ安心して働き続けられる環境づくり、国内の競合に対してはキャリアパスが描けることが大事だと考え、関連施策を充実させたい」と建設業の魅力アップを目指す。
中堅・中小建設業の海外進出について「独自の技術を持っているが、海外事業の知識・ノウハウがなく躊躇しているケースもあると思う。中堅・中小建設業海外展開推進協議会(JASMOC、ジャスモック)の枠組みも活用し実務セミナー、海外事業策定支援、海外訪問団などの支援を行っており、本年度は現地大学と連携したセミナーなど新しい取り組みも行っている」と状況を示し、「今後もニーズを踏まえながら、さまざまな施策を講じていきたい」と展望した。
制度創設から6年を経過したジャパンコンストラクション国際賞について「受賞プロジェクトのさらなる多様化へ、次回の公募に向けて検討を進めているところ。受賞したプロジェクトや企業に、もっとメリットを感じてもらえるためには積極的に海外へ発信していくことが重要。発信のやり方、内容などを検討していきたい」と取り組みのレベルアップを目指す。
アジアをはじめ海外の新興国を中心にインフラ整備の大きな需要が見込まれている。そこへ進出することは「建設産業の持続的な発展、日本の成長活力をけん引していくという上でも大事なこと」とし、海外進出を考えている企業には「お役に立てることがあれば、どのようなニーズがあるかなど言って欲しい」と海外受注の拡大を後押しするため、施策を講じていく。
趣味は剣道で4段の腕前。家で竹刀を振って鍛錬している。また、ビジネス書、ミステリー、文学作品など読書の趣味も幅広い。
【略歴】いそがい たかのり
2000年東京大学経済学部卒、建設省採用。国土交通省土地・建設産業局不動産市場整備課不動産市場企画調整官、住宅局市街地建築課マンション政策室長、総合政策局政策課政策企画官、内閣官房新しい資本主義実現本部事務局参事官、本年7月より現職。1978年3月19日生、長野県出身。