日本建設機械レンタル協会 角口会長インタビュー「働いてみたい業界に」

日本建設機械レンタル協会(JCRA)は、「建設機械レンタル業者登録制」へ向けた新たな資格制度を目指し各種作業を進めている。業界の社会的信用の確保と向上、ユーザーの保護等を図ることが目的。そこで業界のあり方や今後の展望など、角口賀敏会長に聞いた。
――働き方改革についての対応は
協会で就業規則等のモデル例を作成し、会員に配布した。これは小規模な会社等に対しての配慮で、以前のような朝早くから夜遅くまで仕事をするといった体質を変えたい考えから。
個々の企業の努力が必要だが、他産業のようにフレックスタイムの導入も視野に入れるべきだと思う。緊急時はもちろん、通常時でも機械を取り出さなければならない時には、自動的に行えるシステムの導入などで対処できると思う。
夜間に行う橋梁点検では、ユーザーが機器を取りに来る際、免許証を提示するだけでスキャナーが読み取り貸出しが出来て、翌朝に鍵を返却するといった無人で対応できるシステムを用いている企業もある。
発注者側である国土交通省等に対しても、土日休みの推奨を要請していく。年度末に工事が集中すると休みも取りづらくなるため、年度の早期発注についても理解をしてもらいたい。
――女性の入職に関して
以前に比べ、レンタル業の女性採用も増えた。ただ、まだまだ少ない。まずは「働いてみたい」と思われる業界に変えなければならない。またICT施工により、これまで5~10年もの経験が必要とされてきた建機の操作も短期間の教習で可能になるなど、仕事の選択肢も増えてきている。今後も技術の進歩により、これまでと異なる入職の仕方が増えるだろう。
余談だが技術開発という点では、自動車の衝突防止が目を引くが、建機についても災害防止に役立つと期待している。
――仕事量など大都市圏と地方業者の格差について
地方においては民間工事では限界があるため、どうしても公共工事に頼らざるを得ないところはある。道路整備などにより地方の利便性は高められる。やはりバランスよく発注をお願いしていく。
また、国内だけではなく、海外へ目を向けていかなければいけない時代にも差し掛かっている。特に東南アジア等では政府の援助を受けて多くの企業が進出しているので、見習う点も多い。もちろん国土によってレンタル業が成り立つ所と不向きな場所もあるので、慎重に見極めていかなければならない。
――業界の抱える問題は
排ガス規制や安全装置設置等で機械自体の導入価格は上がっている。それに見合うように単価も上げたいところだが現状は厳しい。その辺もお客さんに理解していただきながら、採算の取れるような仕組みを作り上げて、健全な業界へと発展させなければならない。また、これまでわれわれが行って来なかったアピール、認知していただく努力が必要。モラルやコンプライアンスについて、はっきりと協会から外部へ提示し、内部では教育を進めなければならない。そういったことがアピールにもつながると思う。