UR都市機構 吉田滋東日本賃貸住宅本部長就任インタビュー「住宅は国民共通の財産」

UR都市機構 吉田滋東日本賃貸住宅本部長就任インタビュー「住宅は国民共通の財産」
UR都市機構東日本賃貸住宅部長に就任した吉田滋氏に抱負や今後の取り組みなどを聞いた。
―就任の抱負を
吉田 URの支社本部の中でも最大の東日本賃貸住宅本部を任され、身の引き締まる思い。一方で、現場に近い職場で新たなチャレンジができるという期待が膨らんでいる。われわれが管理している住宅は国民共通の貴重な財産。顧客が快適に居住してもらえるよう環境整備するのが最優先だと考えている。
―今後の取り組みについて
吉田 顧客ニーズに対応した入居の促進。特に若年層への普及について団地の魅力を積極的に情報発信していきたい。そういった中で、民間企業や大学と連携し、さまざまなリノベーションを行い、顧客のライフスタイルやニーズに合わせたものを順次、展開している。また、急速な高齢化が進んでおり、賃貸住宅事業は転換点を迎えている。団地内に医療福祉拠点や子育て施設を誘致して世代交流の場を提供し、ミクストコミュニティの形成に努めたい。さらに、高度成長期に建設された公共施設の老朽化や再編・適正化を課題として抱えている自治体も多く、団地だけではなく広い視点に立ち、自治体の考え方を伺い役割分担をしながら、街づくりに協力していきたい。現場レベルでさまざまな試みが芽生えており、今後も若年層へ普及できるよう積極的にチャレンジしていく。
―組織や人材の育成について
吉田 エリア経営部が最前線に立ち、本部はバックオフィスとして支える現体制が機能している。着任以来、現場を回ってきたが、現場のモチベーションは非常に高い。ただ、団地の価値向上というものはハードとソフト両面からきめ細やかな対応が必要で、医療福祉拠点化や団地再生事業にはマンパワーが必要。これまで培ったノウハウをいかに伝えていくかが課題。再雇用制度などを活用し、経験者のノウハウを組織で蓄積できるよう風通しの良い環境を目指したい。
【略歴】よしだ・しげる
1984年一橋大学経済学部卒、住宅・都市整備公団入社。西日本支社総務部長、住宅経営部経営部長などを経て2017年7月から現職。好きな言葉は「意志ある所に道は拓ける」。趣味は愛犬との街歩き。都内の湧き水を巡ったり、通りがかりの店舗で一杯飲むのが楽しみだという。60年生まれ。兵庫県出身。