国土交通省関東地方整備局 若林伸幸(わかばやしのぶゆき)企画部長インタビュー

関東地方整備局の若林伸幸企画部長は就任インタビューで「若い人が目を輝かせて入っていただけるような建設業界にしていく努力をするのが私の仕事」と抱負を語った。幅広い担当業務の中でも「とりわけ防災危機管理、入札契約制度、技術者の育成に力を入れていきたい」と述べ、建設業界の魅力アップを目指して週休2日の確保や生産性の向上などに取り組む考えを示した。
関東整備局での勤務は初めて。「首都圏を抱え、大変重要な地域を管轄する整備局。緊張感を持ってしっかりとやっていきたい」と意気込んでいる。
建設業界が抱える諸課題への対応を支援するために策定した地域インフラサポートプラン関東2017は「魅力ある建設業に、最終目標は国民の皆さんが安全に安心して快適に暮らせる国土をつくるために必要な取り組み」と捉えている。
特に週休2日の確保に向けては「取り組みを拡大、促進していくことによって魅力が向上するのではないか」と考えており、そのためにi-Constructionや新技術の活用などによる生産性の向上を推進する意向も示した。
施工時期の平準化については業界からの強い要望があると認識し、対応策に適切な工期の確保や国債の活用などを挙げた。また発注者として都県や市町村と連携を図る考えも表明。「発注者協議会や市町村のサポートも含めて、整備局がリードしていきたい」と述べた。
前職は中国地方整備局の河川部長。7月に発生した広島県・岡山県の豪雨災害では、地元の建設業者が復旧に携わった状況を実際に見て「頭が下がる思いがした」という。
建設業界の将来を見据え「業者の皆さんが地域を支えているということをもっと広く国民の方にも知っていただきたい。頑張っている人たちがしっかり評価されるような取り組みが必要」と指摘する。
その上で「人口が減っても災害対応や社会資本の整備・維持管理はなくならない。それを支えるのは建設業の皆さんでしかない。そのためにも魅力向上は大変重要なポイント」と述べた。
日々の業務で気を付けていることの一つに「20年後、30年後の後輩が困らない仕事」を挙げる。「われわれの時だけでなく、20年後、30年後を考えたらこれでいいのかといったん立ち止まり、やっぱりこれが最善だということを突き詰めていきたい」と心掛けている。
【略歴】
1990年京都大大学院工学研究科修了、同年建設省入省。近畿地方整備局姫路河川国道事務所長、内閣府企画官、中国地方整備局河川部長などを経て9月1日から現職。岡山県出身、54歳。父は建設会社に勤務していた。趣味の一つに城巡りがあり、赴任する各地で楽しんでいる。