国土交通省北陸地方整備局(建設) 「流域治水を深化」北陸地方整備局河川部・丸山部長就任インタビュー

国土交通省本省から4年3カ月ぶりに北陸地方整備局に戻った。河川部における最大の取り組みともいえる「流域治水」。丸山準部長は「流域治水ではハード整備は当然のことながら着実に推進する。流域治水はそれだけではない。各水系の12水系12プロジェクトができたとはいえ、まだスタートしたばかり。これを各水系の特徴を踏まえながら深化させなければならない。まずその点を全力でしっかりと取り組んでいきたい。流域治水というキーワードで職員と力を合わせ、精一杯取り組んでいくことが私の最大の抱負だ」と意気込む。
流域治水はそれぞれの事業主体だけではなく、流域のあらゆる関係者が連携して取り組む。丸山部長は「関係者間でコミュニケーションをしっかりととっていかなければならない。国として積極的に、地域の安全・安心を守る意気込みで、都道府県、市町村、地元の企業、住民と協業していく。ロードマップやプロジェクトもオープンになっているので、それに沿って取り組みを行いたい」と連携と着実な歩みの重要性を示した。
管内の主要プロジェクトの大河津分水路改修。丸山部長は「治水事業の根幹である『下流から』という点からも、その1丁目1番地が大河津だと思っている。大河津の流下能力を上げることが信濃川水系の全体的な事業推進のキーにもなるので、着実に進めることが重要と考えている。また、こうした大規模構造物事業で最新技術を使っていることも重要だ。今後、他の事業にも積極的に活用できるよう下地を作るという点からも重要だ。それは働き方改革にもつながっていく」と語る。
その大河津分水路は来年、通水100年を迎える。「関屋分水路も通水50年となり、合わせてイベントを考えている。これを契機に過去の治水事業の歴史を思い出してほしい。そして今、われわれは流域治水に取り組んでいる。先人を知り、今を知り、先を知ることで未来につなげていきたい」と語った。
まるやま・じゅん 1988年建設省入省。2013年阿賀野川河川事務所長、19年国土交通省水管理・国土保全局防災課総括災害査定官などを経て7月から現職。山形県立酒田工業高校卒業、58歳。