国土交通省北陸地方整備局(建設) 「積極対話で状況把握」北陸地方整備局建政部・芭蕉宮部長就任インタビュー

ことし7月に建政部長に就任した芭蕉宮総一郎氏は「建設業の安定的な機能維持のための環境整備と自治体のまちづくりを支援していく」と就任の抱負を語る。「現場の状況や意見を聞き、問題やニーズを把握する。そのために現場との積極的な対話をこころ掛ける」とし、「現場の状況を国土交通省本省に伝えるとともに、本省がつくる制度などが現場で浸透、理解、活用されるように努めることが役割」とした。
建設業については「国土づくり、地域づくりを担う基幹的な産業であり、将来にわたって地域に根付いて安定的に機能することが重要」との認識を示す。一方で「厳しい環境での仕事であり、さらに休暇が少ない。若い人が躊躇(ちゅうちょ)するのもうなずける」と課題を上げ、環境改善に取り組む方針だ。
休日の確保には「労働基準法の改正により2024年度から労働時間の規制が建設業でも適用される。ⅰ-Construction、DXなどによる一層の生産性向上が必要であり、業界も危機感を持って取り組むと思うが、週休2日の一般化には発注者側の理解も欠かせない」とし、週休2日を前提とする発注の国から自治体、民間への拡大に期待を寄せる。給与に関しては「特に技能者の給与が不安定で若い人が将来を見通せない実態がある」とし、建設キャリアアップシステム(CCUS)の普及によりキャリアアップとそれに応じた給与の上昇の『見える化』が必要との考え。「キャリアに応じた給与相場が見える化すれば、若い人も将来が見通せて業界に入りやすく、発注者側の理解も進む」と話した。またCCUSの今後について「普及が進めば元請にも必ずメリットが出てくる。100%に向けて、業界を挙げて進めてもらえるよう促していきたい。自治体へも本省と連携して働き掛けていく」と意気込み「最初はモデル的に発注者側から条件付けることも必要だが、担い手の確保は業界全体の課題なのだから、中長期的なメリットを共有し、業界自ら取り組んでいただきたい」と語った。
【略歴】ばしょうみや・そういちろう
1988年建設省入省。国土交通省住宅局総務課証券化支援対策官、倉敷市技監、国交省国土技術政策総合研究所都市研究部長などを歴任し、本年7月から現職。64年9月27日生まれ。福井県出身。東京大学工学部建築学科卒業、56歳。趣味はドライブ。