関東整備局の小林賢太郎企画部長インタビュー/DXの魅力をPR

関東地方整備局の小林賢太郎企画部長は22日、就任インタビューに応じ「インフラ分野のDX(デジタル・トランスフォーメーション)は生産性向上に資する面があるが、担い手不足の観点から若い学生を引き付ける魅力もあると思うので効果的なPRを行いたい」と語る。整備局の強みは「現場に事務所や出張所を持って、その『現場力』を生かせること。それによる課題解決への提案が大きな仕事」との認識を示した。
関東整備局の勤務は初めて。関東地方は「首都圏を抱えて経済の集積がある。安全・安心を守りながら経済成長を支えるための重責を感じている」と前置き。続けて「国土交通省で新しい施策を行う場合、関東整備局が試行やモデル工事を担当している。その意味で他の地方整備局をけん引する存在となっており、引き続きその役割を果たしたい」と意気込む。
当面の課題は2024年4月からの法律改正で、開始となる週休2日制の発注者指定方式の適用で「担い手不足が深刻な課題といえる。DXによる生産性向上などで解決に取り組むが、具体化が進む遠隔臨場については現場への適用事例が直轄工事で進んでいる。この流れを都県や市町村に広げたい」と決意を示す。
ICT施工は「直轄工事で8割を実施しているが、都県および政令市では2割程度。まだまだICT施工の小規模土工については進んでいない状況なので、今後、現場への展開が進むように調整していく」と説明した。
DXの魅力を学生にPRするには「さまざまな業界と協力して、学校の教育現場に新技術・新工法などを積極的に紹介していきたい」と話す。
思い出に残る仕事は、21年1月の大雪に対応した秋田県建設部長のころを挙げる「幹線の国道から通学路となる歩道までの除雪が大きな社会問題となり、地域と連携して取り組むことの大切さを経験した。普段からのコミュニケーションが必要となる」と振り返る。
座右の銘は『人生において直面する事柄には全て意味がある』で「予期しない病気や事故も、その経験が自分を成長させたと、後に気付く」と述べた。
・・・・・・・・・・・
【略歴】こばやし・けんたろう 1995年早稲田大学大学院理工学研究科Ⅰ種(土木)、同年東北地方建設局道路部道路計画第一課採用。近畿地方整備局京都国道事務所長、道路局国道・技術課道路メンテナンス企画室長、秋田県建設部長などを経て6月28日から現職。神奈川県出身、51歳。趣味はランニングで、3㎞・15分程度で走っている。
・・・・・・・・・・・