米澤榮三神奈川県建築士事務所協会会長

(社)神奈川県建築士事務所協会
会長 米澤榮三(よねざわ・えいぞう)氏
・質の時代から魅力の時代へ
「戦後60年、量の時代から質の時代へ、そしてこれからは『魅力』の時代だと考えております」。
「公共建築物でいえば、長寿命化、県民の使い勝手、低コストなどの要求にどう対応していくか、
また、個人住宅についてもライフスタイルが変わってきている中で、時代の移り変わりに伴う価値観
の違いを認識せねばなりません。需要に合った供給ができるよう、時代を先取りする必要があると思
うわけです」
時代の要求するバリアフリー化、室内環境の改善、自然環境との調和などへの対応においても、一
歩進めて魅力を追求することがこれからのテーマになるという。
「心豊かなものを形に現すこと、奥深い世界を表現すること、こうした課題をクリアーすることが
、信頼される事務所の条件になるとも思っております」。
いささか難解なテーマのように思われるが、「常に自分より上にあるものを勉強する必要があると
いうことです」と自らに言い聞かせるようでもある。
「魅力」の追求は協会運営においても不可欠のテーマだとしており、これまでの実績に魅力を加味
したマネージメントによって、顧客の満足度を高めていきたいという考えだ。
「県民に愛される県民のための協会という本来の考え方に戻り、県民の身近かな所で動けるよう、
17年度では、ブロック支部委員会を立ち上げて、支部活動の充実を図る考えです。来年度からは、家
を建てる人のためのセミナーなども実施していきたいと思っているところです」。
「自分の身の回りの声はすべて仏の声だからそれに従え」という仏教の教え『一切聲是仏聲』が座
右の銘。
「建築思想を追求している中で仏教にぶつかった」とはこの人一流の表現でこれまた難解だが、求
道に通じるものか。
趣味は幅広い芸術観賞。大阪工業大学卒、?米澤榮三建築設計事務所代表取締役、59歳。