建設省は十六日、栃木県関係の地域高規格道路の計画路線に『常総・宇都宮東部連絡道路』(茨城県谷和原村~矢板市、延長約一〇〇km)、『日光・宇都宮道路』(宇都宮市~日光市、延長約三〇km)の二路線、候補路線に『栃木西部・会津南道路』(今市市~福島県田島町)を指定した。これにより、県内の計画路線は茨城西部・宇都宮広域連絡道路(延長約七三km、県内約五二km)を加え三路線となった。常総・宇都宮東部連絡道路は、県土木部が今年度から調査に着手。県内区間の概算事業費は千五百億円に上ると試算している。
今回の地域高規格道路指定は、建設省、県、日本道路公団の三者による広域道路調整会議の結論を踏まえ、県が広域道路整備基本計画の見直しを国に申請したことなどを受けて行われた。
見直しは、北関東クロスコリドール構想の基本的な方針、ネットワーク構成は維持し、部分修正を行った。具体的には、六年度に策定した常総・宇都宮東部連絡道路の終点区間(宇都宮市)を矢板市まで北上させるルート変更をはじめ、①常総・宇都宮東部連絡道路の国道四号への延伸②交流促進型に宇都宮茂木道路(国道一二三号、県道宇都宮茂木線)を追加③東部広域幹線道路の構成路線の一部を県道宇都宮烏山線へ変更など。
今回指定を受けた三路線の概要は次の通り。
▼常総・宇都宮東部連絡道路(計画路線に昇格)
常磐自動車道谷和原ICと東北自動車道矢板ICとを南北に結ぶ。北関東自動車道、宇都宮テクノポリス開発地域や、ツインリンクもてぎなど芳賀地域活性化拠点とのアクセスなど、県内の大型プロジェクトとリンクした重要路線。六年十二月の候補路線指定からの昇格となった。県内区間は約五〇kmで、一般国道二九四号、同四〇八号、同四号などで構成される。
県では、同路線の一部となる鬼怒テクノ通りの本格着工を目指し、四〇八号真岡バイパスをはじめ北関東自動車道真岡IC周辺二・一km区間を一部事業化。今年度さらに調査・設計を進め、北進線の都市計画決定、早期の整備区間指定を受け、工事の進捗を図りたいとしている。
▼日光宇都宮道路(計画路線に指定)
すでに有料道路として供用中の路線ながら、西部広域幹線と今回候補路線となった栃木西部会津南道路との中間拠点として位置付け、将来の県西部高規格幹線道路の中枢路線として宇都宮市、県東部への連絡を果たす。当面新規の事業計画はないもよう。
▼栃木西部・会津南道路(候補路線に指定)
今市市の日光宇都宮道路交差部から福島県田島町の会津縦貫南道路までを結ぶ、クロスコリドール構想サブコリドール(西部広域幹線道路)の一翼を担う。候補路線内には湯西川ダム建設事業をはじめ、一般国道一二一号竜王バイパス、同五十里バイパスなどのプロジェクトが進行中。今後は建設省宇都宮国道工事事務所と県土木部が中心となり、これらの事業と整合性を図りながら、構造、ルート設定などの比較・検討を進める。