厚生省は、国立甲府病院(甲府市天神町)と国立療養所西甲府病院(甲府市山宮町)を統廃合し、国立甲府病院に両病院の機能を備えた新総合病院を建設することになった。来年度の概算要求に建設費等を盛り込み、来年度中の着工と十六年度での開院を予定する。建設規模等についての詳細は追って正式に発表されるが、現在の国立甲府病院の面積一万五、〇〇〇㎡を上回るものになる、との見通しを示している。
同省は、全国の国立病院、診療所の赤字経営からの脱却を目指し、これらの再編成・合理化の基本方針を策定、全体で二三九の施設を一六五にまで統廃合する計画を順次、進めている。
今回の国立甲府病院と国立療養所西甲府病院も、同計画に基づくもの。
ベッド数は、三二〇床(一般二七〇うち重度心身障害者用一二〇、結核五〇)で、統合により一般が一六六床、結核が一六床それぞれ減少するが、両病院の特徴である重度心身障害者や結核、周産期医療などの機能の存続が図られる。
同新病院の建設については、厚生本省が直接あたり国立病院特別会計の中の国立病院、国立療養所の項目で予算化される。
同省の来年度概算要求では、国立病院について今年度の六七六億円を三九億円上回る七一五億円、国立療養所で今年度の二一四億円を六三億円上回る二七七億円がそれぞれ要求されており、老朽基幹病院近代化整備、国立病院・療養所特別整備、がん医療等の機能強化、難病対策等の推進、医療機器整備などを推進する計画。