農林水産省埼玉東部土地改良建設事務所大里農地防災事業建設所が建設を進める、六堰頭首工の改築と用水路の改修工事が本格化してきた。同事業は、荒川の河床低下が原因で洪水に対して危険が増大している六堰頭首工と江南サイフォンの改築、都市化による土地利用変化の影響、生活雑排水の混入による農業用水の水質悪化、湧水の枯渇による水源の地下水依存などの問題に対処するため、平成六年度に事業化された。事業の概要は、六堰頭首工を既存施設の下流約一〇〇mに改築して本畑・五所揚水機場を統合し、右岸導水路を新設して江南サイフォンは廃止、左岸導水路と幹線用水路(奈良堰、玉井堰、大里、荒川左岸、御正吉見堰)については改修を行う。事業期間は平成十五年度までで、総事業費には約四〇〇億円が投入される。
六堰頭首工・江南サイホン・幹線用水路は昭和二年から十四年にかけて県営事業で築造され、周辺地域の農業振興に多大な功績を残してきた。
しかし、築後約六十年が経過して、江南サイホンは荒川の河床低下により水面に突出、用水路には生活雑排水が混入するなど、年月と生活環境の変化により改善を余儀なくされ、用水施設の機能回復と災害の未然防止、農業用水の水質改善と合理的な利用などを目的に事業が開始された。
また同事業に関連して、枝線用水路二二本(六五、〇〇〇m)の整備が県営事業で進められている。
今年度は、本体が一般競争で十月十九日に入札が行われる。また、左岸幹線導水路が公募型で、大里幹線用水路の一部と荒川左岸幹線用水路については工事希望型で秋口に入札が行われる予定。
主な工事の概要と、これまでの進捗、今年度の予定工事は次の通り。
▼箇所=①全体計画②これまでの進捗③今年度予定)
▼頭首工=①フィックスドタイプ全可動堰、堰長一九七m、土水吐(純径間二二・〇m×扉高三・〇五m。鋼製フラップ付ローラーゲート)一門、洪水吐(純径間四〇・七五m×扉高二・八五m、鋼製ローラーゲート)四門、取水工(取水口二〇・〇m、制水ゲート(純径間五・〇m×扉高二・〇m、鋼製ローラーゲート)二門)、魚道(アイスハーバー型階段式、延長三九・五m×幅員三・〇m、両岸設置)、管理橋(橋長二三〇m×幅員一〇・五m)②-③本体とゲートの二分離(一般競争)で、十月十九日入札
▼左岸幹線導水路=①延長約四、八〇〇m、RC口径二、八〇〇mm②約一、一〇〇m③三工区(二八四m、二八〇m、五〇〇m、全て開削)を公募型で十月末頃発注※今月中に告示予定
▼右岸幹線導水路=①延長約四、八〇〇m、RC口径一、九〇〇mm②-③実施設計中
▼大里幹線用水路=①約七、二〇〇m②約二、五〇〇m③二工区(三七八m(W三・五m×H一・二m)、四三三m(W三・〇m×H一・二m))を工事希望型で、一工区(二五九m(W三・〇m×H一・二m))を指名競争で十月末に発注予定
▼奈良堰幹線用水路=①延長約六、六〇〇m②約四、〇〇〇m③約六〇〇m(熊谷市に委託)
▼玉井堰幹線用水路=①約一四、八〇〇m②約四、〇〇〇m③-
▼荒川左岸幹線用水路=①約四、五〇〇m②約五〇〇m③三工区(四〇八m(W二・三~一・九五m×H一・二m)、五一一m(W一・九五m×H一・二m)、三六六m(W一・九五m×H一・二m))を工事希望型で十月末に発注予定
▼御正吉見堰幹線用水路=①約四、五〇〇m②-③-