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竹内直文・新都心建設局長が記者会見、12年5月5日に『さいたま新都心』街びらき

1999/07/30 埼玉建設新聞

 埼玉県百年の大計と言われる「さいたま新都心」が来年五月五日に街びらきを行う。前任の松下局長に代わり就任した竹内直文・新都心建設局長が就任の抱負、町づくりなどについて埼玉県建設専門紙記者会に対して会見を行った。会見の主要内容は次のとおり。

 就任の抱負を

竹内 国家的プロジェクトに参画できて光栄に思う。これほどの事業を短期間で実施することは例がなく、今後の町づくりのサンプルにもなり、その意味からも携わる機会ができうれしく思う。街びらきに向けて一所懸命尽力し、県および新都心の成功のために役立ちたい。

 新都心の今後の町づくりの展開は

竹内 確かに来年街びらきはするが、それで完成ではないということ。さいたまアリーナ、けやきひろばといった県の先導施設、道路などの基盤整備はほぼ完了するが、役所ができることはそこまで。周辺の片倉工業の跡地、南部中核施設郡、その他の周辺部の町づくりは民間が主体となり今後も新都心の基本理念に基づいた良好な市街地の一角になってもらいたい。

 町づくりとは新都心に限らずエンドレスで何十年、或いは一〇〇年単位の長いスパンで緩やかに「町」がつくられていくということ。あせって後世に悔いを残すことになるような土地利用はしてもらいたくないですね。

 先程、全国に例がなくサンプルになる事業という点を詳しく

竹内 神戸市のハーバーランド、臨海副都心などは臨海部での事業。新都心は内陸部でコンパクトな地域ということ。他の事業と比較し、短期間で集中投資し、「一気に空間を変貌させた」ことは本当に前例がないのではないか。地権者、事業関係者、県、国の携わった方々の熱意と取り組みも見習うべきことでしょう。

 町づくりのキーワードは何と考えますか

竹内 調整力ではないか。さまざまな意見を集約し、形成することこそ重要。今後の町づくりに求められることは、官は大まかな構想を示すことであり、決定することは地元だ。対立ではなく全員参加の形式こそよりよい町づくりには欠かせない。

 タワーの情報は

竹内 まだ何ともコメントできないが、タワーは新都心のようなフラットな土地には最適であり、シンボルになることから是非実現を期待したい。

 竹内新局長は福島県出身で東京大学工学部を卒業し建設省入省。都市計画畑が長くまさしく町づくりのプロ。楽しかったことは、外務省へ出向しタイの大使館に努め、技術・経済協力に参加したこと。現在、多摩ニュータウンから毎日通勤している。趣味はピアノと物腰同様にソフト。特にモーツアルトの大ファンとか。



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