県矢板土木事務所は今年度、氏家町の市街地区間を流れる一級河川五行川の本格的な河川改修工事に着手する。来月中をめどに、五行川支川新設改良工事を発注、引き続き合流する農業用水路合流地点にサイフォン一基を新設する。部分的に残る土水路を利用し、新たに天端断面三・九mの支川水路を延長五一三mにわたり開削する。支川完成時の流量は毎秒一二立方m。護岸工は市街地の景観に配慮した玉石積を計画している。事業費は三億円。
支川の工事内容は、開削工、護岸工。現在のところ分割発注とし、来月上旬にも分割本数を確定したい意向。サイフォン一基は十月ごろの予定。いずれも同事務所入札となる見込み。設計は日本工営(株)(東京都千代田区麹町五-四)が担当、サイフォンの設計は五日に五社により指名競争入札される。サイフォンも極力早期の発注に努めたいとし、設計工期を二カ月程度に設定した。
支川は単年度で完了させ、上流からの流れをいったん支川にバイパス。来年度からは二カ年で毎秒一八立方mを確保する本川延長七八〇mの河川改修を着工させる。
五行川河川改修工事は、県単緊急整備、個性豊かなふるさとづくりの二事業を導入し、川幅の狭い市街地(氏家地内)の流下能力を本・支川合わせて毎秒三〇立方mに改善する事業。九年度事業化し、二カ年で用地の先行取得を進めた。事業区間は下流端が一般国道二九三号、上流端は町公民館付近とする人家が立て込んだ地域で、本川河道の拡幅が困難なため、新たに支川を築造し本・支川で流下能力を確保する。
本川工事は、下流端から上流端まで天端幅九~四・六に拡幅、玉石積護岸を基本とする。用地に余裕がないため開削断面は垂直断面とし、玉石積みまたは石積みが困難な場合はU型側溝とする計画。構造物は主要地方道大田原氏家線を横断する橋梁二橋、町道橋二橋、農業用水堰一基が予定され、いずれも来年度着工の予定。架設工事の際の道路切り回しや、工事用車両の往来等に必要なスペース確保が難しいため、現在工法を検討している。
同事務所では、拡幅用地取得により生み出された残地を親水公園に整備する。公園整備は遊歩道、休憩施設、植栽等を計画。現在詳細を町と協議中。総事業費は十五億円。