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栃木県宇都宮市

総合運動公園整備、全国都市緑化とちぎフェア開催後に、計画の見直しを検討

1999/10/04 日本工業経済新聞

 宇都宮市は、懸案となっている総合運動公園(西刑部町、平塚町、約三二ha)の整備について、全国都市緑化とちぎフェア(マロニエとちぎ緑化祭2000)開催後に、計画の見直しを検討する考えを明らかにした。福田富一市長が九月定例市議会で答弁した。同公園は、増山道保前市長が競輪場の移転候補地に挙げ、競輪などを開催するメーンスタジアムや、ドーム型多目的施設を核とした総合運動公園として整備する予定だった。しかし、財政事情の悪化から移転を凍結。十二年九月に開催される緑化フェア会場として、暫定的な整備を進めている。

 福田市長は就任直後の六月議会で、「競輪場は現施設で事業を継続したい」と当面の移転凍結を示した。しかし、今回「競輪事業の今後の見通しや施設移転の必要性などについても、総合的に検討する必要がある」とし、将来的な移転の可能性もにおわせた。

 見直しの内容については「都市計画決定した趣旨に基づき、市民利用や広域利用を基本とし、運動施設や広場などを備えたスポーツ活動の拠点となるものを考えている」と、運動公園として整備する方向性は変わらないとの認識を示した。

 所管の地域振興課では、「競輪場移転の問題も含めて、緑化フェアが終了する来年十一月以降に検討組織などを立ち上げ、トータルな計画の見直しを図ることが必要では」とし、競輪場移転については「現時点では凍結であり、見直しの中で再度移転が必要との結論が出る可能性はゼロとは言えない」としている。

 同公園は九年一月に事業認可を取得。基本計画ではサッカー、陸上競技、自転車競技及び競輪に対応する「メーンスタジアム」(サッカーグラウンド、陸上競技トラック、自転車競技競争路、観客席)、健康スポーツ・屋内型観戦スポーツ及び大規模イベント・コンベンションの開催に対応できる「ドーム型多目的施設」(建築面積約一一、〇〇〇㎡、アリーナ面積約八、〇〇〇㎡、観客席一万席)を核施設として整備。サブグラウンド、芝生広場、樹林地なども設け、緑のスポーツオアシスとして、市民のスポーツ活動の拠点となることが期待されていた。



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