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地下鉄7、8号線など鉄道4路線のルート等検討調査業務を日本交通技術(千代田区)に委託

2000/08/03 埼玉建設新聞

 県交通政策課はこのほど、今年1月の運輸政策審議会(運政審)で答申された鉄道4路線のルートや事業主体などの検討調査業務を日本交通技術(千代田区)に委託した。調査内容は、答申を受けた各4路線の概略ルートや結節駅、駅設置場所、事業主体などの概略をまとめ、早期事業化を促進するもの。

 答申を受けたのは、埼玉県が新設および延伸を要望していた6路線のうち、目標年次の2015年(平成27年)までに開業することが適当である路線(A1答申)の地下鉄7号線延伸と、同年までに整備着手することが適当な路線(A2答申)として8号線の延伸、また、今後整備について検討すべき路線(B答申)とする12号線の延伸と東西交通大宮ルート一部区間の4路線。

 A答申は、現時点において整備の必要性が認められ、目標年次までに整備を推進すべき路線。

 このうち、A1答申を受けた7号線は、鉄道整備に係わる条件がおおむね整っており、目標年次までに開業することが適当と判断された路線で、2001年開業用予定の地下鉄7号線・浦和美園線から岩槻市を通り蓮田市まで延伸する12・9km。

 これまでの調査内容によると、浦和美園駅から東武野田線岩槻駅間約7・2kmは地上で整備し、岩槻駅へは地下で進入。途中、新駅を2か所設置する計画。岩槻市の第3次総合振興計画(13年度~)では、沿線周辺の土地利用方針を盛り込む方針。

 蓮田市では、調整区域内の線路は高架式とし、市街地は地下式で計画。JR宇都宮線蓮田駅へは、同駅から岩槻市境までの都市計画道路蓮田駅東口馬込線(W16m、L約1km)下の利用が見込まれる。県が10年12月にまとめた建設試算額は2、000億円。

 一方、開業時期は特定できないが、少なくとも目標年次までに整備着手することが適当とされるA2答申に位置付けられたのは8号線。ルートは東京・亀有駅から常磐新線新駅と結接して草加市内に入り北上、松伏町を抜けて千葉県野田市に至る延長24・3km。

 八潮市先では、越谷市が越谷レイクタウン内に、吉川市では武蔵野操車場跡地にそれぞれ新駅を設置する構想があり、両市とも新駅に8号線を結接したい意向を持っているもよう。鉄道未整備の松伏町へは新駅設置が有力だ。軌道構造は高架または掘り割り式で計画。県がまとめた建設費は4、000億円を試算。事業費に関しては、費用負担を設定するため、事業が具体化した時点で見直しを図るとしている。

 一方、所沢-大宮-吉川間を結ぶ東西交通大宮ルート新線は、全長約50kmで要望していたが、さいたま新都心などで需要が見込まれる大宮-新都心から県営サッカースタジアム付近までの区間のみをB答申に位置付けた。軌道構造はモノレールやLRTなど、中量軌道システムでの整備を計画しており今後、整備の必要性、整備方策などを検討する。同じく、B答申となった12号線は、武蔵野線方面の延伸が計画されている。



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