東京都は8日、「東京構想2000」の中間まとめを公表した。環状方向のネットワーク形成を重視した『環状メガロポリス構造』を打ち立てるなど、東京が抱える問題について今後15年をメドとした課題を抽出、生活像、都市像、エリア・コンセプト、行政像といったものに具体的に取り組むなどとしている。さらに緊急的・戦略的に取り組む重点事業については、本構想の実施計画として3か年の推進プランを策定に乗り出す姿勢も示している。
新たな都市像については、東京圏全体で適切に諸機能が配置され、環状方向のネットワーク形成を重視した環状メガロポリス構造を打ち立てている。首都高速中央環状線の内部を「センター・コア・エリア」と位置づけ、東京都区部への一極依存構造の是正や、業務核都市などの自立を図ること、また国際的な結節点として臨空・臨海都市軸の形成などを提示。また、これに絡み首都圏3環状整備を不可欠な重点要素としてとらえ、推進していくこととしている。
行政像については、基礎的自治体の経営主体や行政基盤強化の点で規模見直しを図るとして、住民の意志を十分に踏まえた上で自治体の合併についても検討すべきという見解も示し、首都ととしての東京圏再構築を目的とした都道府県制度に変わる新たな広域的自治制度を模索していくなどとしている。
また都民が安心して生活できる東京を作り上げるために、インフラ整備による大規模延焼や都市機能低下の防止、都市型水害・山間島しょ災害への備えを充実させることや、都庁のIT化推進、環境負荷低減などを盛り込んでいる。
財政が逼迫しているなか、今後、都ではより具体的な事業着手に向け3か年推進プラン策定をメインに取り組む方針を固めている。