一般紙を含めすべての紙媒体を始め、テレビやインターネット情報でも今や避けて通れなくなった「横文字」。21世紀もその傾向はさらに強まることは、一致した見方となっています。政府の提唱するIT革命がそれに拍車をかけるという状況に対して、専門新聞としてはなるべくなら本来の日本語により表記すべきというのが正論と思いますが、建設行政、業界などにおいても必要となる最低限の横文字や略語は、自らの素養として消化して置くべきだろうと思います。以下、皆様のお役に立てればと思い、主な基本用語を掲載します。
▼PFI(PrivateFinance Initiative プライベート・ファイナンス・イニシアティブ)=公共施設の設計、建設、維持管理及び運営に至る公共サービスを民間の資金とノウハウを活用して行うこと。’92年にイギリスが導入。日本では、’99年7月にPFI法が成立、同年9月から施行。’00年3月には、同法の規定に基づく「民間資金の活用による公共施設等の整備等に関する事業の実施に関する基本方針」公布
▼VfM(ValueforMoney バリュー・フォー・マネー)=PFIにおける最も重要な概要の一つで、国民の税金(Money)の使用価値(Value)を最も高めようとする考え方。PFIの採用によるVfmの達成は①サービス水準が一定であれば公共の負担コストが低減する②コストが従来と同等であればサービス水準が向上する-のいずれかにより検証される。
▼PSC(PubulicSectorComparator パブリック・セクター・コンパラター)=公共サイドのコストモデル。PFI提案の可否の判断材料となる。従来の公共事業手法により、PFI提案の可否の判断材料となる。従来の公共事業手法により、契約期間全体を通じて発生する全てのコストを積算したもので、提案されたPFI事業が従来型に比べ、よりよいVfMが得られるか否かの評価を行う際に使用される。建設コスト+運営コスト+リスク調整
▼FM(FacilityManagement ファシリティ・マネジメント)=施設管理運営
▼PI(PublicIovolvemennt パブリック・インボルブメント)=各種施設整備計画の策定にあたり、住民等関係者の意見を聴取し計画に反映させる、合意形成手法
▼NPO(Non・ProfitOrganization ノン-プロフィット・オーガナイゼーション)=民間非営利組織もしくは民間公共団体の略。寄付金、会費等を財源とし、ボランティアを含む組織成員が利潤追求を目的とすることなく社会にサービスを提供する組織
▼PM(ProjecotManagement プロジェクト・マネジメント)=プロジェクト推進における全体の管理
▼CM(ConstructionManagement コンストラクション・マネジメント)発注者の代理人あるいは、補助者として、発注者の利益を確保する立場から①品質管理②工程管理③費用管理を行う方式
▼CMr(ConstructionManager コンストラクション・マネージャー)=発注者の代理人として、かつ、その承認を得て、専門工事業者と工事契約を締結する例が多くみられる
▼VE(ValueEngineering バリュー・エンジニアリング)=建設する目的物の機能を低下させずにコストを低減する、または同等のコストで機能を向上させるための技術
▼DB(DesignBuild デザイン・ビルド)=設計と施工を分離せず、統合した形で、単独ないしは複数の請負業者に発注する方式
▼TK(Turnkey ターン・キー)=請負者が全工事を一括して請け負い、試運転まで含め引き渡し時にすぐ操業できるようにすること。これまで主に欧米のプラント建設に適用されていた契約方式
▼BOT(BuildOperateandTransfer ビルド・オペレート・アンド・トランスファー)=国家的プロジェクトの設計・工事・金融など全てのリスクを民間企業が引き受けて完成させた後、10~20年間にわたり運営も委任され、その間通行料等の収入で全部の費用を償却し、一定の運営期間後全資産を無償で政府に引き渡す方式。トルコの第二ボスボラス橋で導入されたのを始め、英仏海峡トンネル工事などで活用
▼CALS(ComputerAidedLogisticsSupport コンピューター・エイディド・ロジスティックス・サポート)=コンピューターによる調達と物流支援。アメリカ国防省で始まったとされる、関連情報の可能な限りの電子化で事業活動を効果的に進めていこうとするやり方。同省は’85年に全ての情報を’89年までに電子化することを決め、これにより処理の迅速化、コストダウン、きめ細やかな対応が可能となった
▼EC(ElectronicCommerce エレクトロニック・コマース)=電子商取引。前述のCALSという言葉は軍事面のイメージが強いため、アメリカでは現在ほとんど使用されず、ECが一般的になっている。このため建設省の公共事業支援統合情報システム研究会では、CALSの前に建設をつけるとともに、後ろにECをつけて「建設CALS/EC」と称している。CALS/ECは、調達から設計、開発、生産、運用管理、保守に至る製品のライフサイクルに関する情報を一元的に管理するビジョンで、企業間の商取引も含めた意味
▼EDI(ElectronicDataInterchange エレクトロニック・データ・インターチェンジ)=電子データ交換。一つの産業全体といった広い範囲で取り決められた標準的な様式で、電子的に商取引を中心としたデータを交換すること
▼CORINS(ConstructionResultINformationSystem コンストラクション・リザルト・インフォメーション・システム)=コリンズで略称する工事実績情報システム。(財)日本建設情報総合センター・JACICが公共発注機関から発注される工事実績データを集めてデータベース化し、公共発注機関がその情報を活用するシステム
▼ITS(IntellijentTransportSystems インテリジェント・トランスポート・システムズ)=渋滞・交通事故の低減や利用者の快適性の向上を目的に、最先端の情報通信技術を活用して作り出す新しい交通システムの総称
▼MBO(ManagementBuyOut マネジメント・バイ・アウト)=経営陣が金融機関の助けを借りて、自社の全部または一部を買い取って、独立して経営を行う手法
▼WTO(WorldTraOranization ワールド・トレード・オーガナイゼーション)=世界貿易機関。’95年に設立された、旧ガットに代わる国際機関。同機関の設立協定書に「政府調達協定」が含まれている。’96年1月1日以降協定が発効し、日米、EU各国など22カ国間において、「国、地方公共団体等が調達する一定基準以上の工事、設計・コンサルティング業務等の建設サービス分野」について国際的なルールが適用されることになった
▼CI-NET(ConstruuctionIndustryNetwork コンストラクション・インダストリー・ネットワーク)=(財)建設業振興基金建設産業情報化推進センター。EC(電子商取引)の日本CII(ISO基準を日本語化したEC基準)基準の建設業の適用基準を作成する機関。標準化された方法でコンピューターネットワークを利用し、建設生産に関わる様々な企業間の情報交換を実現し、建設産業全体の生産向上を図ろうとするもの
▼TECRIS(TEchnicalConsultingRecordsInformationService テクニカル・コンサルティング・レコーズ・インフォメーション・サービス)=JACIC(日本建設情報総合センター)が取り扱う調査設計業務実績情報サービス。テクリスと略称。全国の建設コンサルタント、地質調査企業が受注した調査設計業務実績に係わる情報をデータベース化したもので、国・県等の500万円以上の業務実績
▼IT(InformationTechnology インフォメーション・テクノロジー)=情報通信技術。コンピューターによる世界規模通信ネットワークのインターネットの普及を始め、電子メール、携帯電話などのネットワーク化し迅速化させることの総称。IT革命とは第二の産業革命とも命名されるよに、情報通信の高度化、スピード化により社会・経済全般に渡る新たな基盤を築こうとする国家構想
▼GIS(GeographicInformationSystem ジオグラフィック・インフォーション・システム)=地理情報システムシステム。地図を作成するために必要な自然条件の情報(高度、形状等)と土地利用・人口等の情報を蓄積することにより、膨大な情報の中から必要な情報を素早く検索したり、面積や最短経路を計算したり、統計処理を行うことができる。ガス管・上下水道・道路等のインフラ整備や国土利用の統計等に効果が期待されている。CALS/ECの推進にリンク
▼ISO(InternationalOrganizationforStandardization インターナショナル・オーガナイゼーション・フォー・スタンダーディゼーション)=’47年に設立された民間組織、国際標準化機構の略。国際的に通用する規格や標準類を制定するもので、9000シリーズは品質管理や品質保証に関して、’87に国際標準規格として作成した。「責任と権限の明確化」「徹底した文書化」などが特徴
▼EMS(EnvironmentalManagementSystem エンビロメンタル・マネジメント・システム)=ISO14001で表記される環境マネジメントシステムの略。全体システムの一部で、環境方針を作成、実施し、見直しかつ維持するための組織体制、計画活動、責任、慣行、手順、プロセス及び資源を含むもの。組織の事業活動による環境負荷を低減していく「仕組み」
▼ETC(ElectronicTollCollectionSystem エレクトロニック・トール・コレクション・システム)=ノンストップ自動料金収受システム。高速道路等の有料道路の料金所ゲートにアンテナを設置し、車両に設置した車載器(銀行引落し口座等の契約情報を記録したICカード内臓)との無線通信により、自動的に通行料金収受を行うシステム
▼ITC(IntegratedTrafficContorol インテグレーティド・トラフィック・コントロール)=都営地下鉄のシステムで、列車集中制御装置のこと。
▼(InternationalTradeCommision インターナショナル・トレード・コミッション)=国際貿易機関。センターもITCの略
▼CS(CustomerSatisfaction カスタマー・サティスファクション)=顧客満足。企業評価の尺度
▼TQM(TotalQuolityManagement トータル・クオリティー・マネジメント)=総合的品質管理。顧客の立場に立った品質管理
▼TMO(TownManegementOrganizetion タウン・マネジメント・オーガナイゼーション)=タウンマネージメント機関。街づくりの推進機関。中心市街地活性化法に基づき市町村からTMO構想(中小小売業高度化事業構想)の認定を受けた機関がTMOとなる