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茨城県道路建設課

常北那珂線整備、(仮称)那珂川新橋が着工へ

2001/02/07 日本工業経済新聞(茨城版)

 県土木部道路建設課は、総事業費約52億円を見込む県道・常北那珂線の整備で、東海村の臨界事故を教訓に原子力施設からの緊急避難道路にも位置付けられている「仮称・那珂川新橋」の建設に着工する。今年度は近く、左岸(那珂町)側のアバット1基を発注する予定だ。

 常北那珂線は、水戸勝田都市圏環状道路の一部を構成する幹線道路で、平成8年4月に県道認定された新しい路線。沿線には県住宅供給公社が手掛ける十万原地区宅地開発が事業展開中。この地域と那珂西部工業団地、常陸那珂地区などがある開発地区や、常磐自動車道那珂インターチェンジが結ばれることで大きな波及効果が発揮されるものと期待されている。

 事業は平成6年度に調査に着手し、8年度に国庫補助事業の採択を受け、用地買収、一部取付道路の工事などを実施してきた。今年度は用地補償、道路改良、橋梁下部工を予定している。

 ルートは、常北町那珂西から那珂町戸までの延長約1、880mで、幅員15・0m/6・5m。このうち橋梁部は464m。上部工形式はPC8径間連続箱桁。下部工はアバット2基、ピア7基の計9基。

 計画では、那珂川沿岸農業水利事業の幹線水路と企業局の工水も添架する予定という。

 県では、ジェー・シー・オーの核燃料加工施設で起きた臨界事故を教訓に、避難・迂回路、橋梁、道路情報板などの整備を進めているが、那珂川新橋のほか、国道123号桂常北バイパス、国道245号勝田拡幅東海工区「湊大橋」、県道・日立東海線「久慈川新橋」、常陸那珂港山方線「木島橋」などが避難道路に位置づけられている。

 工事は今後、用地買収が進んでいる左岸(那珂町)側から着手した取付道、橋梁下部工事を延伸し、事業の進捗を図っていくことになる。



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