長野県佐久建設事務所は、中部横断自動車道佐久南ICへのアクセス道路として整備する一般国道142号・佐久市佐久南拡幅について、13年度から用地買収に乗り出す方針だ。
中部横断自動車の長野県関係区間は、平成8年11月28日に八千穂IC(八千穂村)~佐久JCT(佐久市、小諸市境)間L約23kmが都市計画決定。うち佐久JCT~佐久南IC間7・8kmが平成10年4月8日建設大臣から日本道路公団に対して施行命令が下された。
県が事業主体の佐久南拡幅も、同時期に都市計画決定している。国道142号跡部交差点(跡部字反田)~小学校入口交差点(根岸字阿ら屋)間L3、150mを「現道拡幅区間(4車線化)」、現道拡幅区間からICへの接続道路となるL500mをインターチェンジ「B区間」(熊久保交差点先の旧国道142号~佐久南IC料金所間)として整備する。県単費を入れ調査を進め、11年度には総事業費約80億円で国補道路改良事業の採択を受けた。構造規格は3種2級(60km/h)。なお、起点側の跡部交差点では、現在石神交差点で行き止まりとなっている国道141号バイパスがいよいよ3月下旬に開通する。
B区間の標準幅員は、道路公団A規格対応で全幅21・5m。標準断面は、中心線から中央分離帯2・5m、車道3・5m×4、路側帯2・5m×2。構造物は、一級河川片貝川及び川岸を並行して走る旧国道142号線(現市道)を横断する片貝川2号橋が計画されている。上部工の形式は現場打PC中空床版で、橋長34・9m。下部工はA1(IC側)が逆T式、A2(国道側)がラーメン式でアバットの下を市道が潜り抜ける構造とする。
一方、現道拡幅区間の標準幅員は全幅28m。現道の両側をほぼ均等に拡幅する。標準断面は、センターから中央分離帯2m、車道3・5m×4、路肩1・5m×2、歩道4・5m×2。歩道には、植栽を枡形式で設置する。構造物は現在一級河川片貝川を渡河する橋梁があるが、これをそのまま残し、その両側を拡幅する。下部工は、現橋台(逆T式)の両側を継ぎ足し、その上にT桁をジョイント(単純ポステンT桁橋)して対応する。橋長は32・5m。この他、交差する市道のうち25-9号線は横断地下道方式とする。取り付け部を含めた延長は約300m。うち直接交差するボックスカルバート部分はL76m。幅員は車道5・5m、路肩0・75m×2、片歩道2・5mの全幅9・5m。
地元との調整には、施行命令後に入った。まずB区間を対象に、平成10年7月から地元桜井岸野地区へ説明会を実施した。地権者の大半が農家であることから、JA佐久市本所に対策協議会事務局を置き、自動車道に関連する10支所を窓口としながら地権者の意見を集約し、公団、県と協議を重ねた。現在、道路公団の設計協議が完了していないため、これを待って公団と用地単価を調整した上で用地国債を設定し、用地買収に入りたいとしている。
一方、現道拡幅区間については、平成11年7月から説明に入り、同12月には佐久市が窓口となり地元の関係五区(跡部、野沢、前山、桜井、岸野)と説明・設計協議を進めた。この結果12年11月末までに地元地権者の合意が得られたことから、用地測量を発注している。並行して幅杭の設置を進め、13年度には用地単価を提示して買収に入りたいとしている。
なお、10年度以降(13年1月25日現在まで)の委託業務発注状況はつぎのとおり。▼業務名(箇所名)=①入札日②落札者③落札額(消費税別)の順。
【10年度】
▼県単調査道路改良測量(岸野~跡部・佐久南2)=①10月29日②協同測量社③320万円
▼県単調査道路改良評価調査(同・同3)=①1月28日②長大③120万円
▼県単調査道路改良設計(同・同4)=①1月28日②建設技術研究所③740万円
▼県単調査道路改良調査(同・同5)=①3月4日②浅間エンジニアリング③190万円
【11年度】
▼国補道路改良測量(佐久南拡幅1)=①9月24日②モテキ③430万円
▼同(同2)=①9月24日②タイヨーエンジニヤ③400万円
▼国補道路改良交通量調査(同3)=①9月30日②アンドー③190万円
▼国補道路改良地質調査(同4)=①9月30日②日本物理探鉱③600万円
▼国補道路改良設計(同5)=①11月18日②タイヨーエンジニヤ③290万円
▼同(同6)=①11月18日②タイヨーエンジニヤ③570万円
▼同(同7)=①12月2日②建設技術研究所③1、500万円
【12年度】
▼国補道路改良設計(佐久南拡幅1)=①5月18日②フジ技研③480万円
▼同(同2)=①5月18日②タイヨーエンジニヤ③570万円
▼同(同3)=①5月18日②モテキ③630万円
▼同(同4)=①6月22日②タイヨーエンジニヤ③1、050万円※片貝川2号橋詳細設計
▼国補道路改良土質調査(同5)=①5月25日②日本物理探鉱③370万円
▼国補道路改良設計(同6)=①6月1日②国土監理③330万円
▼同(同7)=①6月1日②建設技術研究所③650万円
▼国補道路改良用地測量(同1)=①8月24日②モテキ③730万円
▼同(同2)=①8月24日②浅間エンジニアリング③620万円
▼同(同3)=①8月24日②総和コンサル③460万円
▼同(同4)=①11月22日②フジ技研③670万円
▼同(同5)=①11月22日②タイヨーエンジニヤ③720万円
▼同(同6)=①11月22日②モテキ③470万円
▼同(同7)=①11月22日②総和コンサル③440万円
















