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埼玉高速鉄道(株)

県内初の地下鉄『埼玉高速鉄道線』が完成-3月27日に浦和美園駅構内で開業式典を開催

2001/03/29 埼玉建設新聞

 埼玉高速鉄道(株)(上村知敏社長)が建設を進めてきた県内初の地下鉄「埼玉高速鉄道線」が完成し27日、浦和美園駅構内で開業式典が開かれた。計画当初は夢のような話とされ「幻の地下鉄」とまでいわれていた鉄道の開業を沿線地域住民とともに喜びを分かち合った。今日、28日から運行を開始する。

 式典には、同社代表取締役会長の土屋義彦県知事、小野邦久国土交通事務次官、嶋津昭総務事務次官、土坂峠敏帝都高速度交通営団総裁、豊田実日本鉄道建設公団総裁、大沢立承建議会議長、浦和、川口、鳩ケ谷各市長、県選出国会議員ほか、地権者ら約600人が参加。

 開業式では、土屋会長が「埼玉高速鉄道の開業で、周辺旅客輸送の混雑緩和と利便性が向上する。また、この鉄道は、来年に迫ったワールドカップサッカー会場となる埼玉スタジアム2002への主要アクセス路線。21世紀の幕開けと同時に走り出す鉄道を県民に愛されるものにしていきたい」とあいさつした。

 来賓祝辞では、小野国土交通事務次官が「鉄道開業は、県土発展の礎となるものと確信している」と述べ、嶋津務事務次官は「沿線地域住民のさらなる活性化を期待している」とあいさつ。このあと、来賓者らがテープカット、くす玉開披を行い、同駅から鳩ケ谷駅を折り返す試乗会が行われた。

 閉式後は、浦和市のロイヤルパインズホテルに会場を移し、約1、600人が参加して祝賀会が行われ、県知事ほか、浦和、川口、鳩ケ谷市長により「21世紀埼玉の幕開けとまちづくりへの決意」に向けた決意宣言などが行われた。

 埼玉高速鉄道は昭和60年の運輸政策審議会で答申。東京・北区の赤羽岩淵駅から川口、鳩ケ谷、浦和市を抜けて、ワールドカップ会場の最寄駅となる浦和美園駅間14・6kmを結ぶ。区間内の川口市に「川口元郷」「新井宿」「戸塚安行」と「東川口」の4駅を設置。また、これまで鉄道がなかった鳩ケ谷市には「南鳩ケ谷」「鳩ケ谷」の2駅を開設し、8駅を約19分で走る。

 同線は営団南北線に接続後、目黒駅へ。ここから目黒線に乗り入れ、川崎市の武蔵小杉駅まで直通で結ばれる。このほど開かれた運輸政策審議会で岩槻市、蓮田市への延伸が答申されている。



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