水戸市の都市計画審議会が先月末に開かれ①那珂久慈流域下水道への参入に伴う公共下水道の区域の変更②泉町1丁目南地区第1種市街地再開発事業③十万原新住宅市街地開発事業の都市公園等の区域-など4事業について計画決定した。
このうち公共下水道の変更では、これまで市浄化センター(若宮町地内)で処理を計画していた(仮)水戸南処理区(約1、555ha)を流域下水道による処理に変更することなどを承認。それに伴い、今年度にも事業認可を取得するとともに、管渠設計などを進め着工を目指していく。
泉町1丁目南地区では、再開発事業および関連する都市計画道路などを決定。今年度に事業主体の再開発組合を発足させるとともに事業計画をまとめ、平成14年度着工へ向け準備を進めていく。
公共下水道事業は、これまで約3、920haが都市計画決定され、3つの処理区(第1号=水戸北処理区、第2号=水府・青柳処理区、第3号=流域関連処理区)で整備を進めてきた。そのうち今回は、第1号処理区において、桜川より南側に位置する(仮)水戸南処理区を第3号処理区に変更するとともに、桜川より北側の(仮)水戸北処理区に隣接する市街化調整区域約1、360haを1号処理区に追加する。
また、第3号処理区では、第1号で削除した南処理区を追加するとともに、南処理区周辺地域(約1、937ha)と十万原市街地開発の処理区(約128ha)を追加する。これにより、第3号の流域関連処理区は3本立て(流域の水戸幹線、常澄処理区、十万原処理区)となり、都市計画決定区域はこれまでの約152haから約4、372haへ大幅に増加する。
以上の変更により、下水道の都市計画決定区域はこれまでの約3、920haから約7、945haへと倍増。ほぼ市全域が下水道計画に位置づけられることになる。また、県でも流域関連の幹線管渠(水戸幹線約10・1km、那珂幹線L約2・3km)などを先月末に計画決定した。
泉町1丁目南地区の再開発事業は、現在のボンベルタ伊勢甚および伊勢甚を中心とする約1・6haが対象地区で、大型商業施設(SRC造地下2階地上9階建て延べ約7万2、700㎡)を中心に、周辺の都市基盤などを整備する。キーテナントは水戸京成百貨店が内定している。事業スケジュール(見込み)は、今年度に事業主体となる再開発組合が発足するとともに事業計画を決定し、14年度に着工、16年度の竣工-となっている。
水戸市と常北町にまたがる約135・2haを県住宅供給公社が開発する十万原新住宅市街地開発事業では、市が整備を担当する都市公園等の区域を決定した。決定した公園は①(仮)十万原近隣公園(約7・8ha)②第1街区公園(約0・5ha)③第2街区公園(約0・3ha)-で、その他に第3街区、第4街区、第5街区の計画決定を予定する。
十万原近隣公園は、国道123号からのアクセス道「十万原東西線」沿いの開発区域入口に整備する。計画施設は多目的広場や親水広場、雑木の森など。また、街区公園は、第1公園が多目的広場や賑わいの広場、遊戯広場など、第2公園が修景広場や遊戯広場、植栽などの整備を予定する。
近隣公園の整備は、市が国補事業で約2・4ha(事業費約3億円)を、県公社が約5・4ha(1億8、930万円)を担当する。県公社では今年度から、市では14年度から整備に着手する計画。
その他、県が茨城町大戸・近藤地内で計画されている「やさしさのまち桜の郷」へのアクセス道路となる主要地方道内原塩崎線(都市計画道路3・4・123号高田内原線、L6、690m、W16m)のうち、水戸市部分(L210m)も承認された。
今回決定した内容は次の通り。
●●水戸市公共下水道の変更
【水戸・勝田都市計画下水道水戸市第1号公共下水道の変更について】
▼排水区域
現在都市計画決定している約3、705haから、桜川を境として南側の「(仮)水戸南処理区」約1、555haを、那珂久慈流域下水道に参入するために削除する。また、桜川を境として北側の「(仮)水戸北処理区」に隣接する市街化調整区域(約1、360ha)を第1号公共下水道区域に追加する。したがって、水戸市浄化センター(北系列、若宮浄化センター)で処理する区域は合計約3、510haとなる。
▼浄化センター
水戸市第1号公共下水道の南側の地域は、那珂久慈流域下水道へ参入するため浄化施設の機能を那珂久慈浄化センターに確保するため、既に決定している処理施設「水戸市浄化センター(南系列、旧東部浄化センター)」を都市計画決定から削除し、廃止する。
また、フレックスプランとして整備が完了している双葉台浄化センターおよび大塚・赤塚浄化センターについては、都市計画決定対象施設から除外されるため、削除する。
▼管渠
現在都市計画決定している管渠は、集水区域面積が100ha以上であるが、都市計画決定要件が1、000ha以上の管渠に変更になったため、桜川幹線を水戸市浄化センター(北系列)に接続して都市計画決定し、1、000ha以下の集水区域となる西部幹線他19幹線を都市計画から削除し、併せてポンプ場施設を都市計画から除外する。また、同様の要件から、雨水についてもすべての幹線を都市計画から削除する。
【水戸・勝田都市計画下水道水戸市第3号公共下水道の変更について】
▼排水区域
現在都市計画決定している常澄処理区約152haに、周辺の市街化調整区域約600haを追加する。また、第1号公共下水道から編入する「(仮)水戸南処理区」約1、555haと、隣接する市街化調整区域など約1、937haおよび(仮)十万原処理区の約128haを追加する。したがって、那珂久慈浄化センターで処理する区域は合計で約4、372haとなる。
▼管渠
集水区域が1、000ha以上となる駅南幹線を、流域下水道の(仮)水戸幹線と接続する位置から決定し、1、000ha以下となる常澄幹線は都市計画から削除する。
【水戸・勝田都市計画下水道都市下水路の変更について】
▼変更理由=水戸市公共下水道の雨水区域も、汚水と同様に拡大を図ることから、新たな区域に含まれている都市下水路を公共下水道の雨水渠に転用する。したがって、都市計画決定している第9号都市下水路ほか6都市下水路を都市計画から削除する。
【那珂久慈流域下水道の変更について】
▼水戸市に関係する変更=水戸市第3号公共下水道地区の汚水を流入させる(仮)水戸幹線の新設および那珂幹線の延伸を都市計画決定する。
●●泉町1丁目南地区第1種市街地再開発事業
【事業概要】
▼施行者=市街地再開発組合(予定)
▼施行区域=約1・6ha(泉町1丁目、泉町2丁目、天王町、備前町の各一部
▼再開発計画の概要
◇公共施設整備
①泉町天王町線(L約100m、W21m)
②泉町西通り線(L約130m、W17m)
③泉町東通り線(L約130m、W12m)
▼施設建築物
◇構造=SRC造
◇階数=地下2階地上9階
◇敷地面積=約9、000㎡
◇建築面積=約8、000㎡
◇延べ面積=約7万2、700㎡
◇建ぺい率=約89%
◇容積率=約646%
◇用途=商業、業務、駐車場
▼総事業費=約155億円
【高度利用地区の決定】
▼決定地区の概要=泉町1丁目南地区、約1・7ha
▼高度利用地区の制限内容
◇容積率の最高限度=65/10
◇容積率の最低限度=20/10
◇建ぺい率の最高限度=8/10
◇建築面積の最低限度=200㎡
◇壁面の位置の制限=2・0m