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国土交通省

セメントの六価クロム溶出-試験要領案を一部変更

2001/05/10 本社配信

 国土交通省は「セメント及びセメント系固化材を使用した改良土の六価クロム溶出試験要領案」を一部変更した。室内試験で六価クロム溶出量が土壌環境基準を超えなかったセメント及びセメント系固化材を地盤改良に使用する場合、現場試験となる二つの試験を要しないとした。

 同省はセメント及びセメント系固化材を用いて地盤改良を実施した改良土から、条件によっては六価クロムが土壌環境基準(0・05ppm)を超える濃度で土壌中に溶出するおそれがあることから、平成12年4月1日より同省所管の建設工事の施工に当たっては、現地土壌と使用予定の固化材による六価クロム溶出試験を実施している。同省は12年度の施工実績による試験データの収集、分析結果を踏まえ、室内試験となる配合設計の段階で実施する溶出試験(試験方法1)で六価クロム溶出量が土壌環境基準を超えなかったセメント及びセメント系固化材を地盤改良に使用する場合、現場試験となる試験方法2(改良された地盤からサンプリングした試料を用い、実際に施工された改良土からの六価クロムの溶出量を確認する目的で行う)と試験方法3(タンクリーチング試験。塊状にサンプリングした試料を溶媒水中に静置して六価クロム溶出量を測定する方法)の実施は必要ないとした。ただし、火山灰質粘性土を改良する場合は、試験方法1の結果にかかわらず、試験方法2及び試験方法3を実施する。

 溶出試験の対象工法は地盤改良工の深層混合処理工法、薬液注入で透水性の減少や原地盤強度を改良する工法、表層混合処理工法。舗装工のセメント安定処理工法。仮設工の地中連続壁工法・柱列式など。

 同省は「六価クロムの地中における各種成分との化学反応の詳細がまだ解明されていない。今年度も調査を続け、試験要領案の改良を目指したい」としている。



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