埼玉県東埼玉資源環境組合は、第1工場完成に伴い焼却処理を休止した第2工場ごみ処理施設について、ごみ焼却量が今後増加していく可能性が高いことから、再稼動を検討していく。来月にも一般廃棄物処理基本計画策定業務と合わせて第2工場現況調査業務を委託する方針。調査報告と併行して作業する検討委員会での検討から、遅くとも年内には改築か改造かの方針を固め、14年度当初予算に関連委託費などを要求していく考え。今年度当初予算には、ごみ処理施設調査委託費として1、000万円を計上している。
同組合の構成自治体は、越谷市・草加市・八潮市・三郷市・吉川市・松伏町の5市1町。人口増加率が高い地域で、毎年約5、000人規模での人口増加がある。
また、常磐新線整備に併せ八潮市内で市・県・都市公団がそれぞれ進めている八潮南部東・中央・西地区土地区画整理や、三郷市内で都市公団が施行している三郷中央一体型特定土地区画整理事業など、各地で土地区画整理事業が推進されており、今後大幅な人口増加も見込まれている。
一般家庭におけるごみ排出量もリサイクルの啓発・意識の浸透などから、減少傾向はあるものの、ベースとなる人口が増加していることから、排出量の増加が考えられる。稼動中の第1工場ごみ処理施設(越谷市増林3-2-1)処理能力800t/日(日立造船施工)についても限界に近づく可能性が高いこと、また経年による処理能力減少が見込まれることから、対応方策として、休止した第2工場の再稼動計画を検討することとなった。
一般的に、ごみ焼却施設は、改築、改造とも計画期間に2~3年、供用開始まで最低でも6年は必要とされ、用地取得がある場合10年程度必要となることから、早期に着手する。
検討に当たっては、組合内部の検討委員会で、再稼動の適否、再稼動の場合はその時期、方法など、改築であればその方策などについて検討し、年内に方針を固め、関連費用を14年度予算に求めていく。
草加市柿ノ木町107-1にある第2工場ごみ処理施設は、昭和60年4月1日に稼動を開始。施設はストーカの全連続燃焼式で焼却炉は2基。ともに150t/日で計300tの処理能力だった。ばい煙処理は電気集塵機、灰処理は溶融式。施工はタクマ(兵庫県尼崎市)が担当。
第2工場から排出された排ガス中のダイオキシン量は、8年度調査で1立方mあたり1号炉9・7ナノグラム、2号炉7・9ナノグラムで、平均8・8ナノグラム。これは、平成8年度に国から通達された排ガス1立方m中のダイオキシン量のうち、緊急対策値(80ナノグラム)を下回っていたものの、14年12月1日以降を対象とする恒久対策値(1ナノグラム)を早期にクリアする動向が強かったため、9年度末で第2工場を休止した。
このため、改造して使用する場合でも、ばい煙処理でのバクフィルターへの交換やダイオキシン燃焼のための燃焼時間増加への対応などが必要と見られる。
また同時に委託される一般廃棄物処理基本計画策定では、管内の将来人口推移やごみの搬入・減量予測、搬入経路などといった基本調査を行う。これによる将来予測も検討材料になるもよう。