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埼玉県企業局

新三郷浄水場を高度浄水処理導入対象予定施設に

2001/05/23 埼玉建設新聞

 埼玉県企業局の小池久公営企業管理者は18日、県建設専門紙記者会と会見し、良質な水道水の供給対策として、「高度浄水処理施設を導入する時期にきている」とし、新三郷浄水場を導入対象予定施設としていることを明らかにした。また、工業団地の需要が低迷する中での新規事業分野開拓では、健康・福祉、環境保全分野ほか、病院経営に可能性があるとの考えを示した。今年度事業は、大久保浄水場の沈砂池築造事業、新設する吉見浄水場の取水施設、遊水池の着工などを主要事業に挙げるとともに、入札制度については、技術提案型、セレクトテンダーの実施を示唆した。 会見ではまず、「今日、明日にも大災害が発生するかもしれないという気持ちを持って一層の危機管理の徹底に努めたい」と就任の抱負を話し、県民本意の事業運営を基本にする経営方針を述べた。

 県の水道水は「まずい」との風評に対しては「原水は荒川、利根川の中・下流域から取水しているので決して良好とはいえない」とした上で、東京都三郷浄水場の高度浄水処理施設を挙げ、県営水道にも高度浄水導入を検討していることを明らかにした。導入に対しては相当の投資が必要となるため、県民、市町村の理解を求め「意向を確認し早急に結論を出したい」と述べた。

 工業団地分譲についてはこれまで、価格の引き下げ、割賦分譲制度、予約分譲方式などを導入し、促進策を講じてきたが、経済環境が依然、厳しい状況にある中、今後の見通しについては、「抜本的な対策を検討する必要がある」とし、価格の見直し、リース方式などの検討を進めていく考えを示した。

 さらに、新規事業分野の開拓では昨年度「検討調査委員会」を設け、公営企業としての地域整備事業のあり方や事業展開の方策について進めてきた検討内容から提言された①高度情報化②産業振興③地域振興④基盤整備⑤市街地整備⑥健康・福祉⑦環境保全-の各分野から、健康・福祉やリサイクル関連の環境保全事業の可能性を示唆し、病院経営も選択肢の1つに上げ今後、庁内関係機関との協議を進め、対象事業を絞り込んでいく方針を示し、「9月16日オープンの県営神川温泉保養センターは新規分野の一環。埼玉県内外から多くの人に利用してもらうため、PR活動を推進していく」と、積極的な姿勢を見せた。

 今年度実施する各浄水場での施設整備は、大久保で沈砂池新規築造、行田は沈殿池掻寄機更新、庄和はフロキュレーター設備更新などを挙げたほか、新設する吉見浄水場関連は、用地買収がほぼ終了したことを受け、遊水池、取水施設工事に着手、全体計画30万tのうち、17年度に15万tの稼働を目指す。

 また、新三郷では、新中川水管橋下部工耐震補強を実施。幹線整備では幸手幹線の送水管路整備を進めていく。

 発注方式では、対象工事は明らかにしていないものの、技術提案型、セレクトテンダー方式を導入する方針。



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