埼玉県県土整備部は、綾瀬川沿川に整備する調節池3池の整備に今年度から着手する。今年度は大門下調節池の一部掘削工事を9月以降に発注するとともに、大門上調節池の詳細設計業務も委託。14年度以降は新和西調節池の設計委託が予定されている。3池合わせた総容量は114万9、000t。調節池は浦和東部・岩槻南部土地区画整理事業によって整備されるもので、同川右岸を流れる伝右川約4kmは埋め立てられ、廃川となる。これに伴い、綾瀬川の河川を拡幅工事も実施。重点区間に設定されている国道463号バイパス-同463号間約1・5km区間は一部用地買収に着手、河川断面は37・6m。
浦和東部・岩槻南部土地区画整理事業は、埼玉高速鉄道線浦和美園駅、ワールドカップ大会会場となる埼玉スタジアム2002などが整備される地域で、国際アメニティタウン構想として位置付けられている。
同地区は、都市基盤整備公団、さいたま市と組合が事業主体となって、さいたま市大門、岩槻市尾ケ崎新田ほか地内約320haを4地区に分けて区画整理事業を展開、都市計画道路14路線などを整備して15年3月の仮換地指定を目指す。
このうち、県が事業主体となって整備を行うのは、3調節池と綾瀬川の河川改修事業。調節池は綾瀬川の河川調節と開発に伴う雨水調整機能を併せ持つ。
先行して整備を進めるのは、国道463号・畷橋上流部の綾瀬川右岸に整備する大門下調節池。都市基盤整備公団施行の浦和東部第2地区(185・6ha)に整備するもので、容量は36万9、000t、敷地面積は約10ha。今年度は地元調整が図られ次第、一部区間の掘削工事を下半期に予定。掘削土量は未定。詳細設計は三井共同建設コンサルタント(新宿区)が担当。
さいたま市施行の浦和東部第1地区内(55・6ha)の埼玉スタジアムに隣接して同川右岸に設置する大門上調節池は詳細設計に着手。14年度の掘削を目指している。容量は地区内最大の56万5、000t、敷地面積は約15ha。また、同調節池の対岸に整備予定の新和西調節池は、都市公団施行の岩槻南部新和西地区内に整備。容量21万5、000t、敷地面積は約5haで、14年度以降の設計を予定している。
大門下、同上両調節池は、綾瀬川右岸側を流れる伝右川を取り込む形で整備。同川は調節池と区画整理開発により、東北道から国道463号間約4kmを廃川。埋め立ては区画整理事業整備の最終段階で実施する予定で、調節池の掘削土を利用する方針。
伝右川廃川により、ほぼ並行して流れる綾瀬川は平均断面37・6mに拡幅。拡幅用地は区画整理事業により生み出し、事業区域外については用地買収により確保する。重点区間は近く、買収作業に着手。国道463号バイパス以北は区画整理の進捗に合わせて整備を進める。