茨城県は、水戸市の流域参入を決めた那珂久慈流域下水道で、市の駅南幹線から那珂久慈浄化センターまでを結ぶ「仮称・水戸幹線」の工事について、11月頃にも事業認可を取得する予定だ。工事は那珂久慈浄化センター側から着手する予定で、河川部(那珂川)は自然流下で下を通す。この区間については河川協議が必要で、最終段階での施工となるもようだ。
水戸市の那珂久慈流域下水道への参入は、昨年の那珂久慈流域下水道整備推進協議会(会長・清水ひたちなか市長)の総会で決定した。その後、今年4月に水戸市及び常北町の一部を流域の関連公共下水道として位置づける都市計画を決定。水戸幹線を追加したほか、那珂幹線の延伸及びポンプ場2箇所を追加した。
具体的には、水戸市第1号公共下水道のうち、那珂川と桜川の南側の区域と水戸市北部の十万原地区を那珂久慈流域に編入。新規決定施設として水戸幹線L10・14km、那珂幹線L15・52km(2・29km延伸)、馬渡中継ポンプ場(ひたちなか市大字馬渡字宝堂地内、A2、280㎡)、十万原中継ポンプ場(水戸市藤井町字十万原地内、A860㎡)などを盛り込んだ。
水戸市の参入量は、計画人口8万7、000人、計画汚水量(日量5万1、000立方m)。新規参入しても、那珂川久慈川流域別下水道整備総合計画(流総計画)による計画汚水量(日量27万9、975立方m)内で処理可能となる。
公共下水道普及率が昨年度末時点で約54%の水戸市では、平成20年度の市街化区域の整備完了と普及率80%達成を目標に、平成15年度にも駅南幹線に着工する予定で、その後は市街化区域の枝線部分の工事に入り、流域に接続する。
水戸幹線は水戸市桜川以南の計画区域の汚水を那珂久慈浄化センターに流入させる幹線管渠。流域関連で計画されている処理区域の汚水は、水戸幹線の完成までの間、若宮浄化センターで処理されることから、水戸幹線の整備は単独、流域それぞれの処理区域の拡大にとって最重要課題となっている。