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茨城県河川課

中丸川改修本郷川合流点2・7kmが概成、多目的遊水地で詳細設計と環境調査実施

2001/09/13 日本工業経済新聞(茨城版)

 茨城県土木部河川課は、1級河川・中丸川の改修で、本郷川合流点までの2・7kmがほぼ概成したことを受け、上流部に計画している多目的遊水地(ひたちなか市長堀地区)の整備に向けた放流函渠の詳細設計と遊水地内の環境調査等を実施している。遊水地内の用地取得は県と市を合わせて約7割に達したが、工事に入るには低地部の取得完了が前提で、用地の進捗が事業前進の鍵となっている。

 中丸川の改修は、ひたちなか市柳沢から東石川地内で、昭和55年度に着工した。

 全体計画によると、総事業費約67億円を見込み、河道改修が本川の中丸川6、400mと支川の本郷川1、200mを合わせた7、600mで計画されている。

 これまでは、堤防拡幅に必要な用地買収と、流水の障害となる橋(柳沢橋、市道橋)など構造物の改築を優先的に進めてきた。

 昨年度末で進捗率は37%。本郷川合流点までの2、700mが概成した。今後は支川・大川合流点までの用地を促進するとともに、引き続き多目的遊水地の用地買収を促進する。

 多目的遊水地は、ひたちなか市東石川地内に計画。建設規模は面積にして約14・3ha、容積33万4、000立方mとなっている。

 堤体はアース形式で、環境保全型の堤体構造とする。詳細設計は三井共同建設コンサルタント(株)(東京都新宿区高田馬場1-4-15)。

 平成9年度に策定した中丸川改修全体計画と、同3年度の同多目的遊水地概略設計に基づき、市で計画している親水性中央公園との整合を図り、自然環境に配慮した構造とする。詳細設計では、設計計画、現地踏査、堤体の設計、周囲堤・法面の設計、放流施設設計、洪水吐口施設設計、沈砂池・下流河道設計、附帯施設、池内河道設計などを策定中。

 なお、遊水地周辺の法面は現状維持を基本とするが、洪水時に法面安定への影響が予想される範囲について法面保護工を施す。



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