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彩の国資源循環工場整備計画、借地施設の民間事業主体募集に着手

2001/09/13 埼玉建設新聞

 埼玉県が進める彩の国資源循環工場整備計画は、現在第1期として11月上旬にもPFI施設、借地施設の民間事業主体募集に着手する。事業は数次に渡り計画し、最終的には100haを超える広大な緑地に囲まれた産業群を整備する。第1期の対象は、全体で30・9ha。このうち県農林総合研究センターの試験ほ場整備事業と一体となった公園・緑地が15・6ha、サーマルリサイクル施設が5ha、借地施設の整備用地が8・8ha、その他用地1・5haとなる。諸手続きの日程は今後詰めるが、募集は11月から年明け、その後審査に入り、選定は年度末を予定する。都市計画法の手続きは現在調整中だが、募集要綱発表までに工業専用地域の指定を予定している。

 PFI施設は、事業基盤施設及び公園・緑地施設整備、サーマルリサイクル施設整備が対象。借地施設はリサイクル施設、研究施設などが対象となる。

 事業基盤施設及び公園・緑地施設は、民間事業主体は県からの委託料、サーマルリサイクル施設、借地施設の事業者からの管理費負担金収入などにより、設計・建設費、運営・維持管理費などの経費を賄い、事業期間終了後、施設を埼玉県に無償譲渡する。事業期間中県は、民間事業主体に対して設備その他の工作物を設置するために必要な範囲で事業用地(付帯事業の施設用地を除く)の無償使用を許諾する。

 サーマルリサイクル施設は、民間事業主体は自ら廃棄物を確保し、受け入れ手数料収入、電気・熱販売収入などにより設計・建設費、運営・維持管理費などの経費を賄い、事業収益は民間事業主体に帰属する。事業期間中県は、民間事業主体に対し事業用地を有償賃貸する。運営期間終了後、民間事業主体は施設を解体、撤去して県に用地を返還する。

 借地施設は、PFI事業により事業基盤施設として整備された借地施設用地を県より賃借し、リサイクル施設、資源再生施設、研究施設を建設・運営する。事業用地の賃貸借期間は20年間とし、期間終了後、施設を解体、撤去して県に用地を返還する。リサイクル施設、資源再生施設は、廃棄物の再使用または再生使用・再資源化のための分別処理、加工などにより、資源化または商品化を行う。研究施設は廃棄物の再使用、再生使用・再資源化または減量化などに関する研究を目的とする。賃借料は今後算定するが、研究施設用地はリサイクル、資源再生施設の半額とする。

 応募者の提案は、PFI施設は1応募者は2以上の提案を行うことは出来ないが、借地施設は同時に複数の提案が行うことが出来る。

 なお、都市計画の予定は、用途地域を工業専用地域とし、建ぺい率50%、容積率200%、防火地域などの指定はない。

 以下、それぞれ施設の募集内容の概要。

〈事業基盤施設及び公園・緑地施設〉

【事業範囲】

 ▽PFI施設の設計・施工

 ▽事業用地内のサイン工事(サーマルリサイクル施設、借地施設内の工事を除く)

 ▽事業用地内の各施設の外観、デザイン等に関する調整

 ▽事業用地内の見学ルート計画の策定及び各施設との連絡調整

 ▽その他同工場の公営性、経済性、快適性、美観などの増進に寄与する計画として提案された業務

 ▽PFI施設の保守、点検、修繕

 ▽事業用地内の清掃、警備業務(サーマルリサイクル施設、借地施設内の工事を除く)

 ▽その他同工場の公営性、経済性、快適性、美観などの増進に寄与する運営業務として提案された業務

【事業条件】

 ▽整地面積=15・3ha、造成後、サーマルリサイクル施設、借地施設等の施設建設用地として提供できる状態とする

 ▽給水=日量1、200t、県有地内の各事業用地への配管・加圧及び水道事業者の水道管への接続工事、寄居町所定の水道供給工事負担金を負担

 ▽排水=日量800t、各事業用地から県有地内の配管及び塩沢川排水地点までの配管

 ▽電気=3万kw、事業地内の電線(電話線含む)は地中化し、管路敷設工事はPFI事業で実施。電気供給及び売電事業は、電気事業者とPFI事業業者及び借地事業者との個別計画とする。売電事業にあたり、同一構内での特定供給の場合の管路使用について県は条件付で許諾

 ▽共用道路=延長750m、敷地内の周回道路の付替え(550m)、周回道路から各事業用地までの取り付け道路(200m)を整備

 ▽事業基盤施設=将来的に隣接県有地(工業団地予定地・用地買収中)を開発する場合、事業基盤を隣接県有地の開発にも活用できる提案とする

 ▽公園・緑地施設=将来的に拡大する予定。整備にあたっては①調節池の水辺機能を生かす②石、木、金属などの自然素材を活用する③施設内の回遊性、周辺観光施設との機能連携を図る④ユニバーサルデザインを取り入れた計画--に配慮

【事業スケジュール】

 ▽優先交渉者の選定=14年3月

 ▽基本協定の締結=14年4月

 ▽設計期間=14年4月-14年10月

 ▽仮契約の締結=14年11月

 ▽本契約の締結=14年12月

 ▽建設期間=15年10月-17年3月

 ▽供用開始=16年10月(公園部分)

 ▽運営期間=16年10月-35年9月

 ▽施設の譲渡=35年10月

〈サーマルリサイクル施設〉

【業務範囲】

 ▽サーマルリサイクル施設の設計・施工、運営業務

 ▽環境影響評価業務

 ▽廃棄物処理業及び施設許可の取得

 ▽事業終了後の施設の解体、撤去業務

【事業期間】

 ▽優先交渉者の選定=14年3月

 ▽基本協定の締結=14年4月

 ▽仮契約の締結=14年11月

 ▽本契約の締結=14年12月

 ▽建設期間=16年5月-18年9月

 ▽供用開始=18年10月

 ▽運営期間=18年10月-37年9月

 ▽施設の解体撤去=37年10月-38年3月

 ▽用地の引渡し=38年4月

【施設規模】

 ▽処理能力=日量300t以上

 ▽敷地面積=5ha以下

 ▽整備内容=廃棄物の焼却・溶融設備及び発電・熱利用設備

 以下、3つの条件の下、提案により段階的な整備も可能。

 ①整備段階は2段階

 ②第1段階の整備が上記の処理能力を有する

 ③最終の施設規模に要する施設用地を当初から賃借する

〈借地施設〉

【事業期間】

 ▽民間事業主体予定者の選定=14年3月

 ▽基本協定の締結=14年4月

 ▽契約の締結=14年12月

 ▽建設開始可能日=16年5月1日(整地工事終了後)

 ▽操業開始可能日=17年10月1日(事業基盤整備後)

 ▽用地の引渡し=35年4月30日(更新しない場合)



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