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埼玉県県土整備部

アンカーボルト不良が発覚/近く指名停止措置へ/落橋対策44橋を対象に

2004/01/20 埼玉建設新聞

 県土整備部が発注した落橋防止対策工事のアンカーボルト設置工事で、アンカーボルトの不良施工調査を実施し、著るしい不良施工を担当した業者に対して指名停止の措置か一段上の何らかの処分を検討していることが分かった。早ければ今週中にも指名停止措置などの動きがあることが確実な状況となった。施工不良程度が顕著な場合は改善命令だけではなく場合によっては損害賠償に踏み切る可能性もある。対象は15年夏から秋にかけて調査した県内44橋の施工業者。

 落橋防止装置のアンカーボルトを設置している橋梁は、44橋。7年度以降阪神・淡路大震災を契機に落橋防止対策としてアンカーボルトを橋梁に埋め込む工法は最も多く採用され進められてきた。

 しかし、阪神公団、国土交通省中部地方整備局、岐阜県などでアンカーボルトの長さが短い、本数が規定より少ないなどの悪質な手抜き工事が大量に発覚し、今年度に入り国土交通省が全国の都道府県、政令指定都市などに状況を参考送付し、各発注者もそれぞれアンカーボルトの点検調査に取り組んできた。

 県でも同送付を受け、県内44橋を対象に県土整備部の出先事務所が点検業務を発注した。点検内容は、超音波工法による特殊性の高い測定を実施した。県土整備部の担当者は、具体的にどの程度の施工不良かは集計中としながらも、「施工不良は存在した」ことは認めている。

 県ではこれらの事態は当然のことながら非常に重く受け止め、改善命令を出し、補修措置をさせるとともに、指名停止措置、場合によっては営業停止の処分、損害賠償命令にまで踏み込むことなどさまざまな対応をする準備に入っていることが分かった。

 現在最後の詰めの作業に着手しており、早ければ今週中にも何らかの措置が発令されることがほぼ濃厚な状況。施工担当企業と関係者にとっては気になるところ。

 国土交通省関東地方整備局は直轄国道の同調査を行ったところ、14年7月以降の調査分(11月中旬発表数字より)だけでも49橋で315装置、アンカーボルトの定着長さ不足が1、150本が判明した。そして、補修命令を出すなどの措置を取っている。

 なお、対象の44橋は次のとおり。▽喜沢側道▽石神陸橋▽戸塚陸橋▽蕨陸橋▽和光陸橋▽原市陸橋▽鴻中陸橋▽御成橋▽小仙波高架橋▽落合橋(川越市)▽富田橋▽雁見橋▽天神橋▽原川橋▽滑川陸橋▽七重橋▽古寺橋▽落合橋(小鹿野町)▽新梅島橋▽日の出橋▽六区橋▽田代橋▽中郷橋▽身馴川橋▽鎌倉陸橋▽深谷中央陸橋▽用土橋▽柏戸線橋▽武蔵橋▽三俣橋▽弥勒橋▽野合新橋▽八反田新橋▽三郷インター橋▽栗橋跨線橋▽篠津1号橋▽城橋▽下新井橋▽和戸大橋▽関山橋▽関の上橋▽丸島上橋▽古川橋。



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