県土整備部は20日、「落橋防止装置工に係るアンカーボルトの調査結果」を公表した。それによると22橋の123基について定着長が不足するという不良施工が見つかった。担当した施工業者13者に対しては今日から最長で3か月、最短で1か月の指名停止措置を取ると同時に修補命令を出した。
県では14年度に岐阜県で明らかとなった橋梁耐震工事の落橋防止装置取り付けに伴うアンカーボルトの施工不良問題を受け、県管理分の同様な工事の調査を15年9月から12月にかけて実施した。
対象は7年1月に発生した兵庫県南部地震を踏まえ実施した落橋防止装置施工の40橋、1、583基、アンカーボルト数8、003本。
結果は、22橋123基、アンカーボルトの定着不足が331本に達していることが分かった。
県では所定機能に達していない橋梁の施工者に対して今日21日から指名停止措置を取った。また、修補請求により直ちに手直し工事を行わせる。県は地震後の工事にこのような手抜き施工をしたことに対して、「予想外だった」「倫理観の欠如がひどい」と怒りをにじませている。
指名停止は施工の実態を踏まえて期間にばらつきが生じている。最長が1者で3か月、次いで4者が2か月、1か月が8者となっている。
指名停止を受けた業者は所在地が千代田区1者、台東区1者、墨田区1者、横浜市1者、狭山市1者、さいたま市1者と1経常JV、川島町1者、行田市1者、川越市1者と2つの経常JVとなっている。経常JVが指名停止になったのは構成員の1者でも今回の対象になった場合、連鎖的に指名停止措置とした。
また、再発防止として超音波探傷器による全数確認を義務付けることとしている。