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筑波大学

日立製作所グループで/新棟は9月に着工/PFI事業/動物資源センター

2004/01/28 日本工業経済新聞(茨城版)

 筑波大学は27日、PFI事業で実施する「生命科学動物資源センター」(つくば市天久保地内)施設整備等事業について、一般競争で落札者を日立製作所グループに決めた。入札参加者は4グループで、昨年12月19日の開札後の提案内容審査を受け、優秀提案を決定した。今後は特別目的会社を立ち上げ、3月に正式契約を取り結び、設計に着手、9月から新棟の建設に着工する。

 生命科学動物資源センターは、遺伝子改変マウスなど遺伝子操作動物の作製・供給を行う新たな拠点として整備する。現在全国的な拠点が1箇所しかなく、感染、災害を回避するため2箇所目の拠点として計画された。

 具体的には、センターの新棟建設、既存棟改修や、両棟の維持管理などを通じて、研究・教育・開発等の業務が効率的・効果的に行える環境を整備・維持するために行うもので、特にPFIというサービス調達手法を採用することにより、民間事業者の知識、技術、ノウハウを最大限に活用する。

 建設予定地は、つくば市天久保2丁目(同大学西地区)の敷地面積約5200㎡(事業者管理区域)。新棟の建設規模は、SRCまたはRC造地上4階建て延べ4、600㎡(既存棟接続ブリッジ2階3階の50㎡を含む。建築面積1190㎡)で、階高は1階4・8m、2階4m、3階4m、4階4・2m。改修する既存棟(昭和54年竣工)は、RC造地上5階建て延べ4271㎡(建築面積1138㎡)で計画。

 完成後の新棟の主要諸室は、1階(1140㎡)洗浄室、滅菌室、飼料室、事務関係諸室、機械室など、2階(同)が遺伝子構造解析室、標本作製室、学生実習室、セミナー室、プロジェクト研究室、教官研究室、技官控室など、3階(同)がマウス飼育室、BSマウス飼育室、実験室、胚操作室、機械室など、4階(同)がマウス飼育室、実験室、胚操作室、機械室などを予定する。

 また、新棟建設により、既存棟の部屋の仕様目的が変更されるため、既存棟は大半の部分を改修する。改修の内容は屋根の防水、壁、建具の撤去・新設などで、耐震診断を行い必要な場合には脆性柱の補強などを行う。

 事業者の選定にあたっては、PFI(BTO方式)の一般競争入札を採用。応募企業の条件による建設にあたる者については、文部科学省の一般競争入札参加者の資格を持ち、建築が1250点以上、電気950点以上、管950点以上などを条件として提示していた。

 事業スケジュールでは、特別目的会社の立ち上げ後、3月に正式契約を結び、設計に着手する。新棟9月に着工、平成17年8月中旬の完成を予定。既存棟の改修は18年1月に着工、同8月の完成を目指す。

 入札参加者は次のとおり。

【日立製作所グループ】

◆代表企業=(株)日立製作所

◆構成員=鹿島建設(株)、東光電気工事(株)、東洋熱工業(株)、(株)日立空調システム、(株)日立ビルシステム、(株)日立建設設計、日立キャピタル(株)

◆協力会社=(株)山下設計

【前田建設グループ】

◆代表企業=前田建設工業(株)

◆構成員=(株)ピケンテクノ

◆協力会社=(株)横河建築設計事務所

【大林組グループ】

◆代表企業=(株)大林組

◆構成員=日本管財(株)

◆協力会社=(株)類設計室、オーク設備工業(株)

【奥村組グループ】

◆代表企業=(株)奥村組

◆構成員=株木建設(株)、日本電設工業(株)、高砂熱学工業(株)、(株)リンレイサービス

◆協力会社=(株)東畑建築事務所、(株)西原衛生工業所



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