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利根川新橋で4案浮上/最大で230億円試算/妻沼滑空場も移設検討

2004/01/30 埼玉建設新聞

 埼玉県は群馬県と、両県を結ぶ道路網および新橋架設などについて検討し、長年の懸案となっている赤岩渡船に新橋を架設しさらに架設位置によるルートも4案を想定していることが分かった。4案により最小工事費が190億円で新橋分55億円から、最大コストで230億円の橋梁分80億円となっている。赤岩渡船は熊谷館林線上で妻沼町地内に位置し、利根川の対岸は群馬県千代田町。橋梁部は最長で970mを予定。滑空場移設も合わせ16年度以降両県で各種調査業務に順次着手する。

 本県と群馬県は「群馬埼玉地域連携道路網検討会」を15年11月に設置し幹線道路網のあるべき姿および利根川新橋架設などの実現に向けて協議している。現在両県への架橋は6橋で14車線。橋梁の混雑を解消すべく拡幅と新橋は必要とし、新地伊勢崎線、今泉館林線、熊谷館林線上の渡船個所の架橋実現を模索している。

 その中でも熊谷館林線は熊谷市から妻沼町を通り群馬県千代田町、館林市を結ぶ18kmの重要幹線道路。交通需要も日量9、500台を見込み、地域間交流のためにも優先整備する方針を固めたもよう。

 熊谷館林線は県内区間では妻沼町地内の利根川の手前でストップし赤岩渡船と続いている。同周辺に新橋を架設するにあたり、広域的な幹線道路ルートを検討し4ルートが浮上し、それぞれの総延長や事業費、橋梁規模なども固まりつつあることが分かった。

 道路規格は第3種第2級、設計速度が時速60km、幅員12・5m、橋梁部10mに設定。起終点はいずれも久下橋から冑山熊谷線、国道125号行田バイパスなどの埼玉国体関連道路を利用し利根川を渡河し群馬県内に入り国道50号までとする。

 第1案は妻沼グライダーの滑走路、舞木・赤岩などの集落を回避したルートで最大のコストを要する。。延長は1万7、120m、総事業費は230億円。うち、新橋は延長1、890m、橋梁部970m、事業費は80億円。第2案(第4案と試算額同じ)は同グライダー第1滑走路と浸入区域を回避するルート。総延長は1万7、000m、総事業費220億円。新橋は延長2、370m、橋梁部720m、事業費65億円となる。第3案は最少コストで済み、グライダーの第1滑走路、浸入区域を回避し赤岩足利線などを利用したルート。総延長は1万6、910mで事業費は190億円。新橋分は延長1、460m、橋梁710m、事業費は55億円。

 今年度は架橋位置とアプローチ部の検討、16年度以降に両県で順次各種調査業務に取り掛かる。

 なお、グライダーの滑走路にどのルートも影響を与えるため、下流側への移設も同時に検討することになる。



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