取手都市計画区域マスタープラン案の概要は次のとおり(第2回)。
●主要な都市計画の決定の方針
【土地利用に関する主要な都市計画の決定の方針】
◆主要用途の配置の方針
<1>商業・業務地…取手駅や藤代駅、守谷駅などの鉄道駅周辺、北守谷地区や桜が丘団地地区などの大規模な住宅団地等に商業・業務地を配置する。
このうち、取手駅周辺は、本区域の中心的な商業・業務地を形成していることから、駅前広場や駐車場などの都市施設の整備や都市機能の更新を行うことによって、広域を対象とした商業・業務機能が集積するにぎわいと活力のある都市拠点の形成を図る。
また、守谷駅周辺は、つくばエクスプレスの開通に伴い、本区域における副次的な役割を果たす商業・業務地として機能の集積を図る。
その他、各駅の周辺や大規模な住宅団地等の商業・業務地は、地域を対象とした商業・業務機能の整備・充実を図る。
<2>工業地…取手市の白山地区と井野地区、守谷市の緑地区と立沢地区に工業地を配置する。これらの工業地においては、周辺の居住環境や自然環境に配慮しつつ、その生産環境の維持・向上を図る。
藤代町の国道6号沿道の地区などに、既存の工場等による工業地を配置する。
<3>住宅地…北守谷地区などの市街地開発事業や大規模な開発行為により計画的に整備された住宅団地は、今後も良好な居住環境の維持に努める。
新取手駅周辺や守谷駅周辺、藤代駅周辺等は、今後とも土地区画整理事業などにより良好な住宅地としての整備を促進する。
その他、市街地開発事業等によって整備された地区以外の住宅地は、道路・公園等の都市施設の整備を図るなど住宅地としての良好な環境の形成に努める。
【都市施設の整備に関する主要な都市計画の決定の方針】
◆交通施設
<1>交通体系の整備の方針…本区域における主な交通施設は、JR常磐線や関東鉄道常総線の鉄道と、常磐自動車道や国道6号、294号などの広域幹線道路である。
本区域は、人口や産業の集積に伴い交通量が急速に増加し、国道6号などの幹線道路では交通渋滞が慢性化している。
今後、現在整備中のつくばエクスプレスの整備効果などによる都市化の進展に伴い、本区域の交通量は益々増加することが予想されることから、これらの交通量を円滑に処理し、日常生活や産業活動の利便性、安全性を高めることが必要である。
そのため、本区域においては、常磐自動車道やつくばエクスプレス及び都市計画道路守谷・伊奈・谷和原線(都市軸道路)等を中心とした広域交通網の構築を図る。
また、道路交通の混雑を緩和し都市環境の改善を図るため、つくばエクスプレスの積極的な利用を促すことによって自動車と公共交通機関との効率的な機能分担を進めるなど、交通需要マネジメント(TDM)を促進する。
<2>主要な施設の配置の方針
・自動車専用道路…東京から東北地方へ延びる常磐自動車道を配置する。
・主要幹線街路…自動車専用道路と連携し、本区域内外の都市拠点間を連絡する主要幹線街路として、南北方向の国道6号と同バイパス、都市計画道路守谷・伊奈・谷和原線(都市軸道路)、東西方向の国道294号、県道取手東線、都市計画道路取手東口城根線を配置する。また、本県の県南地域を連絡する広域幹線道路の配置を検討する。
・都市幹線街路…主要幹線街路を補完し、本区域内の市街地間を連絡する都市幹線街路として県道取手つくば線、守谷藤代線、野田牛久線、谷井田稲戸井停車場線、常総ふれあい道路、都市計画道路郷州沼崎線、新道・みずき野線、供平板戸井線、北守谷板戸井線、下高井・野々井線、上新町環状線等を配置する。
・都市高速鉄道…東京都心とつくば市を連携し、沿線の諸都市との連絡を強化するつくばエクスプレスを配置する。
・その他…交通の結節点となる鉄道駅において、交通処理の円滑化を図るため、駅前広場の整備を促進する。また、駅周辺など中心市街地において、自動車交通の増加に伴う駐車場需要に対応するため、立体駐車場の整備を図る。
<3>主要な施設の整備目標
現在整備中又はおおむね10年以内に整備に着手することを予定する主要な施設(都市計画施設)は、次のとおりとする。
※主要幹線街路…3・3・4取手守谷線(国道294号)、3・4・7取手東口城根線、3・1・46守谷・伊奈・谷和原線(都市軸道路)
※都市幹線街路…3・3・1取手西口戸頭線(常総ふれあい道路)、3・4・3上新町環状線、3・4・5新道・みずき野線、3・3・15北守谷板戸井線、3・4・16郷州沼崎線、3・4・22中内大圦線、3・2・40下高井・野々井線
※都市高速鉄道…常磐新線(つくばエクスプレス)
※自動車駐車場…(仮)取手駅駐車場、(仮)取手駅駐車場
◆下水道及び河川
<1>下水道…市街化の動向や道路などの都市施設整備と十分整合を図りながら効率的な施設整備を行い、本区域における生活環境の向上と公共用水域の水質の保全を図る。汚水に係る下水道施設の整備は、人口や産業が集積している地区や計画的な開発による市街地整備が行われる地区から重点的に進める。
さらに、市街地の雨水の排除は、放流河川の整備と十分に整合を図り、排水施設の整備を進める。
<2>河川…上流市街地からの排水量に対応できるよう、河川改修を進める。
また、河川流域において親水性などを生かした憩いや交流の場の整備を進めるとともに、水質の浄化や水辺環境の保全など、環境にも配慮した総合的な河川整備を進める。
<3>主要な施設の配置の方針
・下水道…本区域の汚水処理は、取手・藤代・伊奈公共下水道などの単独公共下水道の整備を促進するとともに、処理区域の拡大を図る。
さらに、市街地の雨水排除は、河川や農業関連の計画と調整を図り、ポンプ場や雨水管渠等の整備を進める。
・河川…本区域の河川は、利根川水系に属しており、南端に利根川、西部に鬼怒川、北端に小貝川が流れている。その他の主要な河川として、一級河川の北浦川、西浦川、相野谷川、羽中川、五反田川、大野川があり、市街地の雨水はこれらの河川に排水されている。
これらの河川は、今後も上流市街地からの排水量に対応できるよう、河川改修を進める。
また、利根川と小貝川においては、まちづくりと一体となった高規格堤防(スーパー堤防)の整備を進める。
<4>主要な施設の整備目標
現在整備中又はおおむね10年以内に整備に着手することを予定する主要な施設(都市計画施設)は、次のとおりとする。
※単独公共下水道…守谷市公共下水道、谷和原・伊奈公共下水道、取手・藤代・伊奈公共下水道
◆その他の都市施設
人々の健康で文化的な都市生活や機能的な都市活動を確保するため、火葬場やごみ焼却場などの都市施設については、社会情勢の変化などを勘案し適切な配置と整備に努める。
<1>火葬場…取手市に1箇所(西谷津公園斎場)を配置する。
<2>ごみ焼却場…守谷市に1箇所(常総地方広域ごみ焼却場)を配置する。
<3>リサイクルプラザ…循環型社会の構築を目指し、広域を対象とした廃棄物のリサイクル拠点となる施設の整備を検討する。
【市街地開発事業に関する主要な都市計画の決定の方針】
◆主要な市街地開発事業の決定の方針
本区域における市街地開発事業は、これまでに常総ニュータウンや美園地区などにおける土地区画整理事業や取手駅西口地区における市街地再開発事業などが積極的に行われてきた。
今後は、現在整備中の事業を円滑に進めるとともに、取手駅北地区や守谷駅周辺地区などの既成市街地において都市機能の更新や居住環境の改善、防災性の向上を図るための事業を重点的に行う。
特に、JR常磐線と関東鉄道常総線の鉄道駅周辺や中心市街地は、市街地再開発事業等を行うことによって駅前広場など都市施設の整備を進めるとともに、土地の高度利用や商業・業務機能の更新などを図る。
さらに、市街化区域内の農地や工場跡地などの低・未利用地は、土地区画整理事業等を行うことによって道路や公園などが整備された良好な市街地の形成を図る。
◆市街地整備の目標
現在整備中又はおおむね10年以内に整備に着手することを予定する主要な市街地開発事業は、次のとおりとする。
※土地区画整理事業…取手駅北土地区画整理事業、下高井特定土地区画整理事業、下沼土地区画整理事業、守谷駅周辺一体型土地区画整理事業、藤代駅南口土地区画整理事業、姥島土地区画整理事業、守谷東特定土地区画整理事業、浜田・上萱場土地区画整理事業
【自然的環境の整備又は保全に関する都市計画の決定の方針】
◆基本方針
本区域の東側と利根川、鬼怒川、小貝川など河川の沿岸はおおむね低地となっており、その他の部分はおおむね台地となっている。
主な緑地は、牛久沼や河川などの水辺の緑地、台地と低地の間に連なる斜面林等であり、特に貴重な緑地として、近郊緑地保全区域に指定されている牛久沼周辺や緑地環境保全地域に指定されている香取地区(香取神社周辺)などが存在する。
また、本区域には、取手緑地運動公園、守谷市の常総運動公園、藤代町総合公園などが整備され、住民の憩いの場として利用されている。
これらの自然的環境は、都市において、環境への負荷の軽減や人々のレクリエーションの場の確保、また災害に対する防災性の向上や良好な自然景観の構成といった観点から、重要な役割を果たしている。
このため、本区域の都市づくりにおいては、近郊緑地保全法など他の法令との連携を図りながら、区域区分制度等による計画的な土地利用を進めることにより緑地を保全し、また、公園等を適正に配置し整備することによって、豊かな水と緑に包まれた潤いのある都市の形成を図ることとする。
◆公園緑地等の整備目標及び配置方針
<1>運動公園…守谷市に1箇所(常総運動公園)を配置するほか、既設の取手緑地運動公園の拡張について検討を行う。
<2>総合公園…取手市に1箇所を設置することを目標とする。
<3>その他の公園緑地等…街区公園などの住区基幹公園や、取手緑地、小貝川緑地、北浦川緑地をはじめとする都市緑地、親水公園・歴史公園などの特殊公園等を適切に配置し、その整備を図る。
◆主要な緑地の確保目標
現在整備中又はおおむね10年以内に整備に着手することを予定する主要な公園緑地等(都市計画施設)や、おおむね10年以内に指定することを予定する緑地保全地区等(地域地区)は、次のとおりとする。
※都市計画公園…取手緑地運動公園、近隣公園(下高井地区)
※都市緑地…取手緑地、北浦川緑地
※風致地区…小文間地区