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湯の沢トンネルが開通/奥多野へアクセス向上

2004/03/26 群馬建設新聞

 県が整備を進めていた林道「湯の沢線」の湯の沢トンネルが完成し24日、開通式典が挙行された。小寺知事や矢口県議会議長をはじめ、工事関係者、地域住民らおよそ300人が集まり、南牧村側のトンネル入口広場において、テープカットやくす玉割り、獅子舞のセレモニーなどで念願の開通を祝った。式典に先立って執り行われた神事では、小寺知事や矢口議長、黒沢上野村長、市川南牧村長らが順次、玉串を神前へと捧げ、交通安全や地域発展を祈願した。

 ふるさと林道湯の沢線は、南牧村桧沢地内を起点として上野村楢原地内に至る総延長約5000m。上野村と南牧村を結ぶことで、奥多野と甘楽を距離的・時間的に短縮し、総事業費は183億円を投入するもの。同トンネルはL3323m、平成12年度から大成建設・池下工業・上原建設・神戸建設JV及び鹿島建設・佐田建設・塚本建設・黒沢建設JVらが工事着手。今回は、南牧村側のトンネル部以外の工事が未完成であることから、工事用道路を利用した暫定供用だが、この開通により、下仁田インターから上野村役場まで距離で9km、時間にして22分が短縮されることとなり、引き続き明かり部の工事を進めて平成18年度中の完成を目指す。

 式典では、主催者を代表して同線期成同盟会の黒沢会長(上野村長)が、「関係業者の優秀な技術と努力により本日無事に完成できた。これを機に新しい交流時代の夜明けが実現できると信じ、今後も大いに交流し、地域振興の発展をお誓いする」と述べた。

 この後、小寺知事はあいさつに立ち、「農山村は緑や水を育み、子どもたちの教育には大切な場所。何年か後には山村に人々が集まると私は信じている」と期待し、「そのためにも交通動脈を整備しておくことは県にとっても大切なことだと、この事業を立ち上げた。約180億円と大きな金額であるが、この開通がこの地域や日本の発展に大きく貢献するものと期待したい」と更なる発展を願った。



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