県土木部は、一般国道353号「石黒バイパス」の整備に今年度から新規事業着手する。先に実施した公共事業新規箇所評価で緊急かつ戦略的に整備を行う方針が決定したもの。事業期間は今年度から平成23年度までの8か年で、総事業費には54億円を見込む。計画延長はL1790m、計画幅員はW6・0(8・5)m。今年度と来年度は各種調査、設計及び用地・補償等を行い、平成18年度以降に本格工事着手する見通しだ。
対象となる事業区間は、刈羽郡高柳町石黒地内。
一般国道353号は、群馬県桐生市から柏崎市までを結ぶ基幹道路であり、将来的に「上越魚沼地域振興快速道路」と松代町を経て接続し、柏崎市と十日町市、六日町、その他関東圏とのアクセス路としての広域交通も担う予定となっている。
しかし、石黒バイパスの対象区間はほとんどが山地部で急峻な地形を通過するため、縦平面線形が厳しく、幅員も狭小(1車線)なのが現状。また、広域道路としての役割以外でも高柳町最南部の居谷集落から町中心部や柏崎市へアクセスする生活道路としても利用されている。そこで、積雪寒冷地の幾何構造基準に適合した縦平面線形に改良し、2車線を確保することにより、幹線道路としての走行性、安全性を確保し、広域道路としての機能向上を図る目的から、早期に事業着手する方針を決めた。
ルートの選定にあたっては、施工区間の細分化や走行性、コントロールポイント、残土処理、経済性の観点から評価。その結果、延長距離は長くなるものの縦平面線形が比較的緩く、集落分断がなく、残土の有効利用が可能となるルートを採用した。区間内でトンネル1か所及び橋梁1か所の整備を予定している。
石黒バイパスの概要は、計画延長L1790m、計画幅員W6・0(8・5)m※幅員構成は片側1・25+3・0mの2車線。整備目標は、積雪寒冷地の幾何構造の確保及び除雪作業による交通止めの解消、縦断勾配6%超の解消を目指す。将来交通量は1200台/日を見込む。
事業計画によると、今年度と来年度の2か年は調査、設計及び用地・補償等を進める計画。今年度はボーリング調査や測量等を予定する。平成18年度~23年度までの6か年で本格工事進め、順調に行けば24年度の供用開始を目指す方針だ。