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下水道による都市浸水対策達成率/県内は34%で全国41位/合流式の改善など・

2004/08/28 群馬建設新聞

 国土交通省が23日に発表した「全国の都市浸水対策達成率等」のまとめによると、15年度末時点での群馬県における下水道の都市浸水対策達成率は34・4%で全国41位、また下水道水環境保全率は1・4%(同46位)となり、いずれも全国平均を下回った。しかし地域間格差などにより、都市浸水対策達成率では全国の6割を占める30県がそれぞれ全国平均値以下の水準であり、同省では「さらなる都市浸水対策の推進と地域間格差の解消が必要」としている。

 報告によると、全国の下水道の都市浸水対策達成率が51・2%(前年度比0・6%増)、下水道水環境保全率が29・4%(同比1・8%増)、高度処理人口普及率が12・2%(同比0・9%増)。

 下水道による都市浸水対策達成率は、下水道の都市浸水対策整備対象地域の面積のうち、5年に1度程度起こると予想される規模の大雨に対して、整備が完了している区域の面積の割合を示す。

 13年度より過去10年間の水害を見ると、内水による被害が約半分を占めており、16年7月の新潟・福島豪雨や福井豪雨等で大きな被害が発生したのは記憶に新しい。同省では、下水道による早急な都市浸水対策の必要性を改めて強調している。

 また、下水道水環境保全率は下水道の普及人口のうち、高度処理や合流改善利用人口の総人口に占める割合を指す。下水道の普及や合流式下水道の改善、湖沼等の高度処理などについて、地域ごとに必要な対策がとられているかを評価した。全国平均値29・4%は、下水道処理人口普及率の2文の1未満の水準であり、著しい地域間格差がある。これについて同省は「地域の整備状況を踏まえて、下水道の普及推進とともに、合流式下水道の改善と高度処理の推進が必要」としている。

 なお、高度処理人口普及率は高度処理を実施している地域人口の総人口に占める割合を表す指標。

 三大湾や有明海の水質保全、処理水の再利用など全国で255箇所で高度処理が実施されている。高度処理人口普及率を全国平均値でみると、整備水準が低く地域格差があり、OECD諸国の整備水準(スウェーデン87%、ドイツ83%、アメリカ34%など)とも大きな格差があることを課題にあげている。



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