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(株)東京商工リサーチ

増収1位はグンエイ/県内建設関連業種別売上高ランキング/<2>職別工事業

2004/08/31 群馬建設新聞

 東京商工リサーチがまとめた「ぐんま経済ガイドブック主要29業種売上げランキング」によると、職別工事業の売上高ランキング上位15社の中で、前年売上高を上回ったのは9社となり、前年度ランキングと増収企業は同数だったものの、増収幅は鈍化し減収幅が広がっていることが分かった。主な受注先となる建築工事業の低迷が続くなか、公共予算の縮減などもあって依然としてシビアな経営環境が続いていると言える。

 同社のまとめた売上げランキングを見ると、上位15社の合計売上高は14年度が8884億円。15年度が8789億円とわずかながら縮小している。前年割れが相次ぐ他業種と比較すれば健闘しているとも評価できるが「職別工事業」全体が健闘しているわけではなく、大手企業の寡占化が進んでいる事実もあって、零細業者の倒産は依然として高い水準で推移しているようだ。建築業者の下請にまわるケースが多いため、不良債権の発生に見舞われるといった環境もあって収益面も鈍化している状況にあると同社は分析している。

【売上げ上位3社は例年通りの顔ぶれ】

売上高ランキングの上位3社は例年通りの顔ぶれとなった。1位の(株)ヤマトは冷蔵・空調一体の省エネ設備は各方面で高評価を得ており、県内上場企業としても知名度・技術力ともに高い。しかし、建築関連・産業空調設備部門がブレーキとなって売上が減少。同社では14年度にヒットした看板商品「ウルトラエコ・アイス」の売れ行きが落ち着いた結果と言えるとしている。

 2位の藤田エンジニアリング(株)もジャスダックに上場している。15年度は建設事業の受注高は堅調だったが、電子部品部門を藤田デバイス(株)に移管したための減収となった。

 3位の三洋関東設備機器(株)も順位は変わらず。三洋電機(株)が100%出資する子会杜であるが、13年4月に東京空調プラント(株)を吸収合併し、以降は3位の座をキープしている。

 なお、今回4位にランキングされた(株)吉田鉄工所は昨年度では輸送機器製造業16位に入っていたが、工事部門のウェイト増加によって、職別工事業でのランキングとしている。

【防災設備グンエイ増収率ナンバー1】

前述の通り、売上高ランキング上位15社の中で増収となったのは9社。微増で留まっている企業が多く、一番の増収率を誇ったのは10位にランクインしている(株)グンエイ。東京都品川区所在のホーチキ(株)の代理店として同社との関係は深い。防災設備工事業者としては県内で独占的な地盤を形成。保守管理契約先も相応数有しており、これが底支えとなって業績は順調な動きをたどっている。

 11位にランク入りしている上毛資源(株)の活躍も目立つ。建物解体工事、ビル管理などを手掛けるが、産業廃棄物処理部門での躍進が業績を牽引している。

 群馬県内に限ってみれば、まだまだ景況感は厳しく、大手企業の業績回復の影で零細企業の倒産はいまだ高い水準で続いている。建設業界の統廃合や倒産などといった影響を多大に受けている。業績動向や財務内容を見ても二極化の流れは強まっており、生き残りを懸けた厳しい経営競争は、今しばらく鈍化する気配がない。



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