茨城県は、つくばエクスプレス沿線開発の上河原崎・中西特定土地区画整理事業(つくば市、約168ha)で、事業計画の第1回見直しを計画している。主な変更は<1>土地利用計画で、幹線道路の交差地を「計画拠点街区」「共同利用街区」に変更して、商業・業務施設などの誘致を図る<2>街区確定測量に伴う道路や保留地地積の変更-など。これらに伴い資金計画も見直し、総事業費は467億円から446億円に縮減。全体工事費は若干の減少だが、工事費内訳では整地費を約77億円から約107億円に増額し、上水道・下水道工事費を減額する。現在は変更案の縦覧を行っており、変更案は今年12月の県都市計画審議会に諮問する。引き続き変更認可申請を行う予定だ。
上河原崎・中西地区は、エクスプレス沿線開発の島名・福田坪地区の北西に位置し、山林や原野、畑などが多い。県道土浦岩井線沿いには工場・流通施設が、県道つくば真岡線沿いには商業・業務施設が点在しており、幹線道路を活かした都市機能の集積などを計画している。
土地区画整理事業は、計画人口1万1000人(3400戸)、平成31年度までを計画期間に、13年2月28日に事業認可を得て着手した。その後、街区確定測量の成果や地価下落の影響などを考慮し、事業計画を一部見直すことにした。
主な変更は、土地利用計画で、幹線道路であるつくば真岡線バイパス、土浦岩井線バイパスの交差地西側約9haを、従来の「沿道サービス街区」「一般住宅」から「計画拠点街区」に変更。道路が交差する特性を生かし、多様な都市機能を集積する。具体的には、市街地の早期立ち上げのため、大型の商業施設や業務施設の誘致などを計画する。
また、「計画街区拠点」の南側約4haも「共同利用街区」に変更して、都市機能を集積させる。
その他、道路、水路、緑地、保留地地積、減歩率なども一部変更する。
これらによって全体の資金計画も見直す。総事業費は467億円から446億円に21億円を縮減。そのうちの工事費は若干の減少だが、年度ごとの工事費は、現在の計画では計画期間の前半に重点配分しているが、それを計画期間の後半にシフトさせる。
また、工事費の内訳も変更。整地費は約77億円から約107億円に増額するが、上水道工事費は約36億円を約10億円に、下水道(雨水)工事費は約19億円を約13億円に減額する。
第1回事業計画変更案における資金計画変更は次のとおり。〔現計画→変更後〕
【全体事業費】467億円→446億円
【支出】
◇幹線道路(6844m)=66億4167万円(変更なし)
◇区画道路(2万8960m→2万5586m)=27億1491万円→24億2505万円
◇特殊道路(342m→292m)=2633万円→2240万円
◇公園・緑地(4万7140m→4万5622m)=5億4176万円→5億2826万円
◇移転補償(21戸)=14億4817万円→20億1534万円
◇下水道(雨水)=19億2283万円→13億5396万円
◇下水道(汚水)=14億1814万円→14億2020万円
◇上水道(4万360m)=35億9906万円→10億1601万円
◇ガス(5万1910m)=5億9177万円→6億7387万円
◇CATV=8億4642万円(変更なし)
◇整地費=77億2907万円→107億3707万円
◇その他工事費=27億300万円(雑費等。変更なし)
◇調査・設計費=51億2760万円→57億5760万円(埋文調査含む)
※工事費合計=357億1448万円→356億4925万円
◇損失補償=22億4588万円(変更なし)
◇借入金利=49億4385万円→29億1224万円
◇事務費=37億9577万円→37億9361万円
【今後の年度別工事費の変更】
◇16年度=50億8300万円→4億8770万円
◇17年度=45億4800万円→5億1350万円
◇18年度=34億5500万円→11億1000万円
◇19年度=33億2700万円→31億2000万円
◇20年度=37億1000万円→55億4000万円
◇21年度=35億8200万円→55億4000万円
◇22年度=35億7700万円→55億4000万円
◇23年度=24億6600万円→49億4000万円
◇24年度=10億3300万円→34億6000万円
◇25年度=5600万円→24億5000万円
◇26年度以降=5600万円→16億6189万円