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埼玉県さいたま市

与野中央公園未整備区域10か年で全面供用へ/アリーナ、広場22億投入

2004/11/30 埼玉建設新聞

 さいたま市都市局が中央区鈴谷、新中里地内で整備を推進している与野中央公園整備事業は、現行事業期間を26年度まで延長し、今後10か間で多目的アリーナ、スポーツ広場および県が事業主体となる地下調節池を整備する方針だ。事業スケジュールは、24年度までに用地買収完了、23~26年度で各施設を整備。総事業費は159億円を設定し、このうち施設整備費に22億円を試算している。一方で、同事業の計画が10年以上経過していることから17年度には、買収作業とともに、当初計画の再検証を行い、必要があれば今後、当初策定した基本計画の見直しを行うことも示唆している。

 与野中央公園は、旧与野市時代に、鈴谷9丁目、新中里4丁目地内の8・1haを対象に、防災機能を有する総合公園として5年度に基本計画を策定。

 地区内には、鴻沼川、与野中央通線があり、現在までにテニスコート、多目的広場、遊戯施設など、1・4haが供用している。

 同整備事業は、さいたま市が引き継いで事業を推進、このほど行われた公共事業評価監視委員会では、事業継続との答申を受けている。

 基本計画では、未供用地となっている鴻沼川から西側エリアに、老朽化した与野中央体育館の代替施設として、備蓄倉庫などを備えた3000㎡規模のアリーナ、ソフトボールが可能な多目的広場と、公園開発に伴う調整池を配した草原広場などを計画。地区中央部には、供用済みの東側を結ぶ橋梁を鴻沼川に新設する。

 また、当初計画には位置付けられていなかった3万8000立方mの地下調節池は、鴻沼川の浸水対策として県が計画。用地が確保されれば、県が動き出すことになる。

 用地買収に関しては、地権者も好意的な姿勢を見せはじめ、監視委員会で示した17年度の用地費約5億2000万円を上回る6億円台を当初予算に要求。市の中心部としての必要性と、権利者の協力など、都市局もここにきて本腰が入ってきた。

 事業計画では、24年度までに毎年、5億円程度の予算を確保しながら用地を取得。施設整備費については、23年度から4か年にわたって約5億円をし、投入27年度の全面供用を目指す。

 用地買収を推進する一方、基本計画に対する見直し論も浮上している。

 現在の基本計画は、平成5年度に、与野市が当時の県都市整備公社に委託して作成。

 当時の与野市域を対象に仕上げられた基本計画は、100万人都市さいたま市として相応しいものなのかという観点から、公園内に予定されている各施設の規模や施設のあり方について、改めて検証する必要性を指摘。17年度には、関係部署と機能面も含め、協議することも考えいてるようだ。

 再検証した結果、各施設の方針や方向性が変わった場合には、基本計画の修正を行うこともあるという。

 ただ、与野中央公園は、さいたま市の中心部に位置する数少ない貴重な環境空間と、避難地延焼防止帯、災害時の広域避難地、復旧・復興拠点として、整備効果が高いこと、早急な整備が求められていることは全庁的に認識されている。



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