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茨城県神栖町

新庁舎の建設を盛る/神栖と波崎が合併調印

2005/02/25 日本工業経済新聞(茨城版)

 神栖町、波崎町の合併協定調印式が22日、神栖町の鹿島セントラルホテルで行われた。橋本昌県知事の立ち会いのもと、岡野敬四郎神栖町長と村田康博波崎町長の両首長は、合併協定書に署名。今後、今年8月1日に神栖町が波崎町を編入合併し、「神栖市」が誕生する。新市建設計画「神栖市まちづくりプラン」(平成17年度~27年度)によると、計画期間内の普通建設事業費は540億2100万円となり、市事業で新庁舎を土木研究所跡地に建設するとともに、道路・公園・公共下水道等の整備を、国・県事業では北公共埠頭等の港湾整備、国道124号(銚子大橋架け換え)整備などを進めるとしている。

 合併協定書によると、合併方式は編入合併、合併期日は17年8月1日。新市の名称は「神栖市」。新市庁舎については、合併後可能な限り速やかに、土木研究所跡地に建設するとし、新市庁舎建設までの事務所は、現神栖町役場(神栖町大字溝口4991-5)とする。

 波崎町の財産は全て、新市に引き継ぐものとする。また波崎町の議会議員は、神栖町議会議員の残任期間、引き続き新市議会議員に在任する。

 主な事務取り扱いについては、新設道路の認定及び道路境界事務を神栖町の制度に統一するほか、公園管理及び市街地整備事業・地積調査は現行のとおり新市に引き継ぐ。上下水道事業についても、合併時に神栖町の制度に統一する。

 合併協定調印式には、立会人の橋本知事をはじめ来賓、関係者など多数が出席。

 調印までの協議経過報告の後、両町長、合併協議会委員、最後に橋本知事が合併協定書に署名。その後、橋本知事と両首長は固く握手を交わした。

 調印後、あいさつした岡野神栖町長は「合併調印までの道のりは平坦ではなかったが、町民の理解と後押しにより成し遂げることができた」と感謝を表し、「本日は、あらたなまちづくりの第一歩。町民福祉の向上、産業の発展、潤いのあるまちづくりを目指し、鹿行地区の中心都市となるよう全力を尽くしたい」と決意を述べた。

 村田波崎町長は、常陸風土記になぞりながら「合併後は、相互理解で力を合わせて、新市の発展のために力を尽くされることを念願します」とあいさつした。

 来賓祝辞では、橋本知事が「巨大生産基地を有する地元のまちとして、新たな力を持って大きく発展されることを期待したい。県としても、住み良いまちづくりに向けて方向付け、支援していきたい」と述べた。

 両町では、昨年4月に波崎町長から神栖町長へ合併協議の申し入れを行い、7月に2回の任意の合併検討協議会を開催。8月に法定協を設置した後、10回にわたる協議を重ね、このほど合併協定の調印を迎えた。

 新市建設計画「神栖市まちづくりプラン」の主な概要は次のとおり。

【新市の将来像】=飛躍する鹿行地域の中心都市‘かみす’

【新市建設の基本方針】

 <1>健康で人にやさしいまちづくり

 <2>個性豊かでたくましい人をはぐくむまちづくり

 <3>自然・環境にやさしいまちづくり

 <4>新しい産業活力にあふれたまちづくり

 <5>くらしの質を高めるまちづくり

 <6>安全性の高いまちづくり

 <7>市民と協働のまちづくり

 <8>健全な行財政のまちづくり

【新市のまちづくり施策】

 ○健康で人にやさしいまちづくり(健康・福祉分野)

◆高齢者福祉

 ・特別養護老人ホーム整備

◆障害者福祉

 ・福祉作業所整備

◆児童福祉

 ・児童保育施設整備

 ○個性豊かでたくましい人をはぐくむまちづくり(教育・生涯学習分野)

◆幼児教育

 ・幼稚園園舎増改築

◆学校教育

 ・小・中学校校舎増改築

 ・学校給食共同調理場整備

◆生涯学習

 ・市立図書館整備

 ・公民館等改修

◆スポーツ・レクリエーション・余暇活動

 ・自然ふれあい公園整備推進

 ・スポーツ・レクリエーション施設整備

 ・「ゆ~ぽ~と はさき」整備

 ・(県事業)波崎レクリエーション拠点計画推進

 ○自然・環境にやさしいまちづくり(地域環境・地球環境分野)

◆自然環境の保全

 ・(県事業)日川浜地区海岸環境整備

◆河川・水路等

 ・排水路整備

 ・(県事業)国道124号排水路(波崎町矢田部地内)整備

◆公園・緑地

 ・各種公園・緑地の整備

 ・(県事業)港公園改修

◆公共下水道・し尿処理

 ・公共下水道等整備

 ・衛生プラント整備

 ・合併処理浄化槽の普及

◆公害防止・産業廃棄物対策・環境美化

 ・公害監視機器整備

 ○新しい産業活力にあふれたまちづくり(産業活性化分野)

◆農業の振興

 ・土地改良関連事業

◆水産業の振興

 ・漁業集落環境整備

 ・(県事業)波崎漁港整備

◆工業の活性化

 ・工業団地内道路等整備

◆商業・サービス業等の振興

 ・にぎわい交流拠点整備促進

◆流通港湾の整備

 ・(県事業)港湾整備(北公共埠頭整備等)

◆観光の振興

 ・自然ふれあい公園整備推進

 ・スポーツ・レクリエーション施設整備

 ・(県事業)波崎レクリエーション拠点計画推進

 ・(県事業)港公園改修

 ○くらしの質を高めるまちづくり(都市計画・市街地整備・都市基盤整備分野)

◆特定地区の開発・整備

 ・土木研究所跡地開発

 ・にぎわい交流拠点整備促進

 ・住宅市街地総合整備促進

◆道路・交通網の整備

 ・シーサイド道路整備

 ・都市計画道路整備

 ・市道整備

 ・工業団地内道路等整備

 ・(県事業)国道124号(銚子大橋架け換え)整備

 ・(同)一般県道深芝浜波崎線(波崎町矢田部地区)整備

 ・(同)一般県道深芝浜波崎線歩道(波崎町浜新田地区)整備

◆住宅・宅地の整備

 ・深芝地区土地区画整備事業推進

 ・公営住宅建設促進

◆水資源・水道の整備

 ・上水道整備

◆墓地・火葬場の整備

 ・海浜公園墓地整備

 ・かみす聖苑火葬炉増設

 ○安全性の高いまちづくり(安全対策分野)

◆消防・防災・救急体制の充実

 ・防災行政無線デジタル化

◆消費者保護の推進

 ・消費生活センター設置

 ○市民と「協働」のまちづくり(協働分野)

◆コミュニティづくりの推進

 ・コミュニティセンター整備

 ○健全な行財政のまちづくり(行財政改革分野)

◆行政運営の改革

 ・新庁舎建設

【公共施設の統合整備の方向性】

◆公共施設の統合整備は、市民生活に急激な変化を及ぼさないよう十分配慮する。

◆新規の公共施設の整備にあたっては、市民のニーズを的確に把握するとともに、地域の特性やバランス、財政事情等を考慮しながら逐次整備していくこを基本とする。

◆新市庁舎については、合併後可能な限り早い時期に、土木研究所跡地に建設する。



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