神栖町、波崎町の合併協定調印式が22日、神栖町の鹿島セントラルホテルで行われた。橋本昌県知事の立ち会いのもと、岡野敬四郎神栖町長と村田康博波崎町長の両首長は、合併協定書に署名。今後、今年8月1日に神栖町が波崎町を編入合併し、「神栖市」が誕生する。新市建設計画「神栖市まちづくりプラン」(平成17年度~27年度)によると、計画期間内の普通建設事業費は540億2100万円となり、市事業で新庁舎を土木研究所跡地に建設するとともに、道路・公園・公共下水道等の整備を、国・県事業では北公共埠頭等の港湾整備、国道124号(銚子大橋架け換え)整備などを進めるとしている。
合併協定書によると、合併方式は編入合併、合併期日は17年8月1日。新市の名称は「神栖市」。新市庁舎については、合併後可能な限り速やかに、土木研究所跡地に建設するとし、新市庁舎建設までの事務所は、現神栖町役場(神栖町大字溝口4991-5)とする。
波崎町の財産は全て、新市に引き継ぐものとする。また波崎町の議会議員は、神栖町議会議員の残任期間、引き続き新市議会議員に在任する。
主な事務取り扱いについては、新設道路の認定及び道路境界事務を神栖町の制度に統一するほか、公園管理及び市街地整備事業・地積調査は現行のとおり新市に引き継ぐ。上下水道事業についても、合併時に神栖町の制度に統一する。
合併協定調印式には、立会人の橋本知事をはじめ来賓、関係者など多数が出席。
調印までの協議経過報告の後、両町長、合併協議会委員、最後に橋本知事が合併協定書に署名。その後、橋本知事と両首長は固く握手を交わした。
調印後、あいさつした岡野神栖町長は「合併調印までの道のりは平坦ではなかったが、町民の理解と後押しにより成し遂げることができた」と感謝を表し、「本日は、あらたなまちづくりの第一歩。町民福祉の向上、産業の発展、潤いのあるまちづくりを目指し、鹿行地区の中心都市となるよう全力を尽くしたい」と決意を述べた。
村田波崎町長は、常陸風土記になぞりながら「合併後は、相互理解で力を合わせて、新市の発展のために力を尽くされることを念願します」とあいさつした。
来賓祝辞では、橋本知事が「巨大生産基地を有する地元のまちとして、新たな力を持って大きく発展されることを期待したい。県としても、住み良いまちづくりに向けて方向付け、支援していきたい」と述べた。
両町では、昨年4月に波崎町長から神栖町長へ合併協議の申し入れを行い、7月に2回の任意の合併検討協議会を開催。8月に法定協を設置した後、10回にわたる協議を重ね、このほど合併協定の調印を迎えた。
新市建設計画「神栖市まちづくりプラン」の主な概要は次のとおり。
【新市の将来像】=飛躍する鹿行地域の中心都市‘かみす’
【新市建設の基本方針】
<1>健康で人にやさしいまちづくり
<2>個性豊かでたくましい人をはぐくむまちづくり
<3>自然・環境にやさしいまちづくり
<4>新しい産業活力にあふれたまちづくり
<5>くらしの質を高めるまちづくり
<6>安全性の高いまちづくり
<7>市民と協働のまちづくり
<8>健全な行財政のまちづくり
【新市のまちづくり施策】
○健康で人にやさしいまちづくり(健康・福祉分野)
◆高齢者福祉
・特別養護老人ホーム整備
◆障害者福祉
・福祉作業所整備
◆児童福祉
・児童保育施設整備
○個性豊かでたくましい人をはぐくむまちづくり(教育・生涯学習分野)
◆幼児教育
・幼稚園園舎増改築
◆学校教育
・小・中学校校舎増改築
・学校給食共同調理場整備
◆生涯学習
・市立図書館整備
・公民館等改修
◆スポーツ・レクリエーション・余暇活動
・自然ふれあい公園整備推進
・スポーツ・レクリエーション施設整備
・「ゆ~ぽ~と はさき」整備
・(県事業)波崎レクリエーション拠点計画推進
○自然・環境にやさしいまちづくり(地域環境・地球環境分野)
◆自然環境の保全
・(県事業)日川浜地区海岸環境整備
◆河川・水路等
・排水路整備
・(県事業)国道124号排水路(波崎町矢田部地内)整備
◆公園・緑地
・各種公園・緑地の整備
・(県事業)港公園改修
◆公共下水道・し尿処理
・公共下水道等整備
・衛生プラント整備
・合併処理浄化槽の普及
◆公害防止・産業廃棄物対策・環境美化
・公害監視機器整備
○新しい産業活力にあふれたまちづくり(産業活性化分野)
◆農業の振興
・土地改良関連事業
◆水産業の振興
・漁業集落環境整備
・(県事業)波崎漁港整備
◆工業の活性化
・工業団地内道路等整備
◆商業・サービス業等の振興
・にぎわい交流拠点整備促進
◆流通港湾の整備
・(県事業)港湾整備(北公共埠頭整備等)
◆観光の振興
・自然ふれあい公園整備推進
・スポーツ・レクリエーション施設整備
・(県事業)波崎レクリエーション拠点計画推進
・(県事業)港公園改修
○くらしの質を高めるまちづくり(都市計画・市街地整備・都市基盤整備分野)
◆特定地区の開発・整備
・土木研究所跡地開発
・にぎわい交流拠点整備促進
・住宅市街地総合整備促進
◆道路・交通網の整備
・シーサイド道路整備
・都市計画道路整備
・市道整備
・工業団地内道路等整備
・(県事業)国道124号(銚子大橋架け換え)整備
・(同)一般県道深芝浜波崎線(波崎町矢田部地区)整備
・(同)一般県道深芝浜波崎線歩道(波崎町浜新田地区)整備
◆住宅・宅地の整備
・深芝地区土地区画整備事業推進
・公営住宅建設促進
◆水資源・水道の整備
・上水道整備
◆墓地・火葬場の整備
・海浜公園墓地整備
・かみす聖苑火葬炉増設
○安全性の高いまちづくり(安全対策分野)
◆消防・防災・救急体制の充実
・防災行政無線デジタル化
◆消費者保護の推進
・消費生活センター設置
○市民と「協働」のまちづくり(協働分野)
◆コミュニティづくりの推進
・コミュニティセンター整備
○健全な行財政のまちづくり(行財政改革分野)
◆行政運営の改革
・新庁舎建設
【公共施設の統合整備の方向性】
◆公共施設の統合整備は、市民生活に急激な変化を及ぼさないよう十分配慮する。
◆新規の公共施設の整備にあたっては、市民のニーズを的確に把握するとともに、地域の特性やバランス、財政事情等を考慮しながら逐次整備していくこを基本とする。
◆新市庁舎については、合併後可能な限り早い時期に、土木研究所跡地に建設する。