農林水産省渡良瀬川中央農地防災事業所は、17年度の事業概要を明らかにした。それによると、今年度の事業費は1期事業が対前年度比2・4%増の21億5000万円、2期事業が同比68・8%増の13億5000万円で、総額は同比20・7%増の35億円を投入する。主な事業は、公募型指名競争入札で、1期事業として大泉町下小泉地内に常光寺遊水池の建設工事を9月に発注するほか、継続して長堀支線直接排水路や廃川堀連絡水路の改修工事を実施していく。また、18年度以降は庚申堀線、矢場幹線用水路、矢場幹線遊水池、早川田遊水池、大箇野幹線遊水池などを順次実施していく考え。
同事務所の対象エリアは、桐生市、太田市、館林市、新田町、薮塚本町、笠懸町、板倉町、大泉町、邑楽町と、栃木県の足利市、藤岡町の4市7町で、受益面積は、畑が3260ha、水田が6140haの合計9400haとなっている。
事業は平成12年度から21年度までを事業期間とする1期(総事業費160億円)と、平成14年度から23年度までの2期(同120億円)に分け工事の進捗を図っている。今年度は、一般競争・公募型指名競争入札を合わせて11か所に着手する予定。
メーン事業となるのは、常光寺遊水池の新設工事で公募型指名競争入札で9月にも発注、10月から工事着手し、18年度3月の完成を目指す。大泉町下小泉地内に建設する同遊水池は、常光寺用水から流入する用水が、排水先河川の降水量を超えた場合に、その超過排水分を一時貯留する施設として排水量増加に伴う施設として整備し、2次災害の防止を図る。構造は、水位変動のある法面コンクリートで保護しているほか、流入出口も設置している。規模は4万9400立方mの堀込み式で整備し、主要建設資材は生コンクリート800立方m、鉄筋50t、PHC杭260本(f400mmの延長6・00m)を予定している。
継続で行われている長堀支線では今年度、公募型指名競争入札でその7工事、その8工事、その9工事、その10工事の4件を工事発注する。発注時期については、田畑の耕作関係の終わる10月頃から順次発注していく方針。同事業は、地区内の都市化や流域開発に伴う排水量の増加から、現在の水路では十分な排水が困難になり、頻繁に溢水、湛水被害が発生している。そのため機能低下の生じている農業水利施設の機能回復を図り、農地及び農作物の被害を防止し、農業経営の安定と国土の保全を目指すため計画されたもの。全体延長は4500mで、17年度は2000mを施工し18年度の完成を目指す。工事概要は、太田市六千石町地内で整備されるその7工事が開水路工(二次製品水路)を延長30m(B3・0m×H1・8m)、延長180m(B2・2m×H1・6m)、延長290m(B1・9m×H1・5m)を発注する方針で、主要建材資材は鉄筋コンクリート大型フリューム350m、鉄筋ボックスカルバート150mとなっている。太田市大原町地内で整備されるその8工事は、開水路工(二次製品水路)を延長490m(B1・9m×H1・5m)を発注。鉄筋コンクリート大型フリューム190m、鉄筋ボックスカルバート300mとなっている。同じく大原地内で整備されるその9、その10工事は、9工事が開水路工(二次製品水路)を延長490m(B1・9m×H1・5m)。鉄筋コンクリート大型フリューム260m、鉄筋ボックスカルバート200m。10工事が開水路工(二次製品水路)を延長410m(B1・9m×H1・5m)。鉄筋コンクリート大型フリューム280m、鉄筋ボックスカルバート130mとなっている。
業務委託については18年度以降に予定されている長堀支線直接排水路その11工事、庚申堀用水路、矢場川幹線用水路、矢場川幹線遊水池、韮川用水路、韮川遊水池、神の前用水路、神の前・神明堀遊水池。館林市内で早川田遊水池、板倉町内で廃川堀連絡水路、大箇野幹線遊水池、仲伊谷田承水溝遊水池の調査や設計を行っていく。