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群馬県八ッ場ダム水源地域対策事務所

松谷第2トンネル着工へ/全体で45億円投入/17年度事業概要

2005/05/21 群馬建設新聞

 県八ッ場ダム水源地域対策事務所(飯塚敬所長)は、今年度の事業概要を明らかにした。それによると、事業費を約45億円とし、基幹施設整備を促進、水特法整備事業、基金事業等の推進を図っていく。主な事業としては、国道145号八ッ場バイパスの松谷第2トンネルや雁ケ沢取付3号橋の橋脚工などを実施し、一般県道林吾妻線においては、吾妻川橋梁の左岸側の橋台及び上部工に着手。また、一般県道川原畑大戸線では、宮谷戸橋の下部工、町道松谷六合村線雁ケ沢橋梁の橋台及び橋脚など、主要な橋梁の整備をメーンに進める計画だ。

 主要事業は次の通り。

【国道145号八ッ場バイパス関連事業】

八ッ場ダム建設に伴い、水没する国道145号の公共補償による付け替え工事と合わせて、地域高規格道路として整備するもので、整備は、吾妻町松谷地区で現国道145号から分岐、国道145号長野原バイパスに接続するまでの区間(全長10・84km、基本幅員25m)で、このうち、松谷地区から長野原町川原畑地区までの区間を同事務所で施工する。

 今年度に実施する事業は、松谷第2トンネル、雁ケ沢ランプ取付道路L約180m、雁ケ沢取付3号橋下部工(橋脚)などを進め、また鍛冶屋沢工事用道路用地補償も行う。松谷第2トンネルは、第3四半期に一般競争入札で発注する見込み。同トンネルは、L815m、W約12・6m、H約6・9mを計画しており、ナトム工法を予定している。設計は、大日本コンサルタント(群馬営業所、高崎市栄町26-25電話027-320-6780)が担当した。

 一方の雁ケ沢取付3号橋については、橋脚2基に着手する。発注は第2四半期を目指す。同橋の規模はL167m、W8・7mで、3径間連続鋼箱桁橋。設計は、日本構造橋梁研究所(東京都港区南青山5-12-4電話03-3400-9101)が作成した。

【一般県道林吾妻線関連事業】

一般県道林吾妻線は、吾妻川橋梁の左岸側橋台1基と上部工に着手。その他、測量設計や用地調査、用地補償、文化財調査等を実施する。

 吾妻川橋梁の下部工については、近く発注を想定しており、上部工は、第2四半期に一般競争入札で行う。同橋の規模は、L116m、W10・5m(片側歩道3・25m)で、上部は方丈式ラーメン鋼桁橋。設計は、八千代エンジニヤリング(東京都目黒区中目黒1-10-22電話03-3715-1231)が担当。

 同線は、ダム建設に伴うダム右岸の付け替え県道及び工事用道路として整備するもので、全長8・54km(うち県施工L1・6km)、基本幅員10・5~13・5mとなる。

【一般県道川原畑大戸線関連事業】

同事業では、宮谷戸橋の下部工へ着工する。規模は、L約48m、W10・5mの1スパンの単純合成鈑桁橋で、橋台形式は、逆T式となる。さらに下流側には、W3mの歩道を付帯する。設計は、下部工を関東測量(前橋市下小出町3-2-7電話027-232-2111)へ、上部工を新構造技術(東京都江東区亀戸1-42-20電話03-5626-5811)へそれぞれ委託した。また、同線の改良L500mにも着手する計画だ。

 同線は、7年に一般県道に路線認定され、起点の川原畑から川原湯までのL1・1km区間(県)、トンネル区間L3・25km(国土交通省)、トンネル坑口から国道406号までのL4・8km(W10・5m)を整備するもの。通常の県単独事業と比べ、多額な予算を要するため、4工区に分割して実施する。

【町道松谷六合村線関連事業】

同線では、雁ケ沢橋梁の下部工(右岸側橋台と橋脚1基)、工事用進入道路L220mなどを整備する。下部工については、第2四半期の発注を見込んでいる。

 同橋は、L116m、W8・2mの3径間連続鋼箱桁橋で、橋台は逆T式。設計は、長大(東京都中央区日本橋蛎殼町1-20-4電話03-3639-3301)が作成した。同線は、国道145号を起点とし、高日向地区へ延びるL2・22km、W7mの新設道路で、吾妻町から県が受託して整備を促進している。

【通常砂防事業】

同事業では、吾妻川支線小倉沢、かばら沢、押手沢、鎌田沢の4渓流で施工を行う。

 各渓流は、土石流危険地帯であり、これらの渓流の保全区域内には、多くの住宅や道路等の公共施設や耕作地が含まれており、土石流から地域住民を守るため、砂防工事を実施するもの。これまでに山根沢と中村沢を完成させている。



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