国土交通省関東地方整備局で今年度から、「コスト縮減優良工事」表彰が始まる。受彰者への優遇制度として技術審査評価時への加点も示されており、同局のコスト縮減に対する強い姿勢が伺える。
関東地方整備局と農林水産省関東農政局において、16年度の「契約後VE」での提案、採用件数が、それぞれ0件だったことが分かった。15年度はどうだっだのかと言うと、関東整備局は東京国道、横浜国道、荒川下流の3事務所で、それぞれ1件ずつの提案があった。関東農政局は14年度に1件あったが、その後は「提案なし」という状態が続いている。
こうした現状に対し関東整備局では「問題意識は持っている」ものの、受注者が積極的に契約後VE提案を出す環境づくりについては、具体的な動きが見えてこない。
そもそも、なぜ契約後VE提案が出てこないのか。一つには、受注者がメリットを感じていないことが考えられる。VE提案が採用された場合は設計変更が生じるが、その際、「請負代金額が低減すると見込まれる額の10分の5に相当する金額(VE管理費)を削減しないものとする」ことになっている。
つまり、提案によって1000万円のコスト縮減が図られた場合、500万円が受注者に返ってくるという計算。裏を返せば、契約金額が500万円減ることになってしまう。低価格受注が多発している昨今、契約金額を自ら減額するという行為に、二の足を踏む受注者は多いのではないか。
また、提案項目が示されていない、ということも、大きな要因と考えられる。入札時VE(総合評価落札方式)の場合は、「工期短縮」「騒音値低減」など、発注者側から、具体的な項目が示されている。加えて提案を出さなければポイントがつかないため、必然的に落札する可能性が低くなってしまう。つまり、発注者側が「VE提案を出させる仕組み」を構築しているといえよう。
今後、発注者側が本気で契約後VEの提案増を望むならば、工事成績評定への加点だけではなく、何か大きなインセンティヴを付与しなければならないことは、論を待たない。「コスト縮減優良工事」表彰の加点配分がどの程度なのか、それにより受注者側がメリットを感じ提案が増えてくるのか、今後の動向を注視したい。
















