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茨城県日立市

「整備委員会」を発足/助川海防城番所跡の復元に向け

2005/08/09 日本工業経済新聞(茨城版)

 沿岸防備を目的に幕末に築かれた史跡「助川海防城」の番所跡復元に向けて、日立市は今月末にも整備事業策定委員会を設置する方針だ。委員会内での計画策定を経て、来年度以降に整備費の予算が配分されれば、観光向けの簡易的な公園として、観光案内板や大砲(レプリカ)などを設置したい考え。

 助川海防城は、9代水戸藩主徳川斉昭によって天保7年(1836年)に築かれた海防目的の平山城。

 諸外国が幕府に開国を迫っていた当時、尊王攘夷を唱えていた斉昭が水戸藩沿岸に設けた海防施設の一つ。現在は、市立助川小学校の西側の助川山にかけて立地している。

 市では、全国的にも日本に2箇所しかない史跡を保存して後世に伝えようと、平成15年度、助川海防城跡保全会に調査業務を委託。

 この報告を受けて、今回の委員会が設置される運びとなった。

 委員会は、学識経験者や保全会をはじめ、産業経済部、都市建設部、また現在募集中である一般市民らで構成されるもよう。

 今後、委員会による検討結果と整備計画の策定を経て、市では高台の景観条件を活かして整備を進めていく考え。現段階では簡易的な公園整備や歴史案内板の設置、また予算配分によっては、過去の図面に基づいた砲台のレプリカ作成も検討している。

 なお、市内在住の20歳以上を対象とした一般市民の委員の募集は、12日(金)まで実施している。詳しい問い合わせは観光課(電話0294-22-3111内線534)まで。



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